治療する

卵巣がんの治療の流れと具体的な治療法を紹介します。

治療の流れ

卵巣がんの治療には、手術、薬物療法(化学療法や維持療法)、放射線治療などがあります1)。基本的には、手術で可能なかぎりがんを取り除いた後に化学療法を行い、さらに維持療法を行うか、経過観察するかを選択します。



初めて卵巣がんになったとき

初めて卵巣がんになったとき

初めて卵巣がんになったときは、まず手術を行ってがんを可能なかぎり取り除き、その後に化学療法を追加するのが基本です2)。がんの進行度合いや、手術で取り切れなかった場合には、2回目の手術を行うことがあります1,2)。また、がんを完全に取り除くことが困難な場合は、化学療法(術前化学療法)を行ってがんを小さくしてから手術を行うこともあります2,3)。化学療法の後は、再発や死亡リスクの低下を目的とした維持療法を行うか、または経過観察を行います。

初めて卵巣がんになったときの治療と流れ 初めて卵巣がんになったときの治療と流れ


再発したとき

初めて卵巣がんになったとき

卵巣がんが再発した場合、患者さんの状態に応じて、化学療法が行われる場合が多いですが、初回治療のように手術が組み合わされる場合や放射線治療が選択肢となることもあります4)。 その後は、初めての治療と同様に、維持療法か経過観察を選択します。

再発したとき
卵巣がんが再発したときの治療の流れ 卵巣がんが再発したときの治療の流れ

監修:東京大学大学院医学系研究科 医用生体工学講座統合ゲノム学 教授 織田 克利 先生

  • 日本婦人科腫瘍学会 編:卵巣がん・卵管癌・腹膜癌治療ガイドライン2020年版, 金原出版, 東京, p19,20, 2020
  • 日本婦人科腫瘍学会 編:患者さんとご家族のための子宮頸がん・子宮体がん・卵巣がん治療ガイドライン 第2版, 金原出版, 東京, p156-161, 2016
  • 国立がん研究センター がん情報サービス編集委員会 編:がんの冊子 各種がんシリーズ 卵巣がん・卵管がん, 第4版, 2021
  • 日本婦人科腫瘍学会 編:卵巣がん・卵管癌・腹膜癌治療ガイドライン2020年版, 金原出版, 東京, p135-137, 2020