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卵巣がんになって患者さんが悩んだことと、そのケアを紹介します。

治療による見た目の変化

手術や薬物療法、放射線治療によって、様々な見た目の変化が生じることがあります1)

卵巣がんの治療による見た目の変化

  • 脱毛(髪の毛、眉毛、まつ毛など)
  • 爪の変化(もろくなる、変色する)
  • 皮膚症状(色素沈着や手術の傷あと)
  • むくみ

など

見た目の変化によって、気分が沈み、人と会いたくないと思うこともあるでしょう。しかし、できる範囲でいつもどおりの生活を送り、おしゃれを楽しむようになると、気分が明るくなります2)。がん患者さんの外見支援(アピアランスケア)を行っている病院もありますので、気になる場合は医師や看護師に相談してください。

治療による見た目の変化についての体験談はこちら
 体験談5体験談1


脱毛

髪の毛や眉毛、まつ毛などの体毛が抜けます。多くは一時的なもので、治療が終われば再び生えてきます3)。治療が始まる前に髪の毛を短くしておくと、脱毛の心理的なショックを軽減できます。


髪の毛が抜けたときのケア4)

髪の毛が抜けたときのケア 髪の毛が抜けたときのケア

髪の毛が抜けたときは、ウィッグや帽子、スカーフなどを使うことでカバーできます。頭皮への刺激が少ない医療用ウィッグもありますので、自分に合ったものを選びましょう。頭皮は蒸れやすく、皮脂や汗で汚れやすいので、洗髪して清潔を保つようにしてください。


眉毛やまつ毛が抜けたときのケア1,3)

眉毛やまつ毛が抜けたときのケア 眉毛やまつ毛が抜けたときのケア

眉毛が抜けると元の位置が分かりにくいので、脱毛前に撮った自分の顔写真などを参考に、治療前と同じ化粧品で眉を描くとよいでしょう。

まつ毛が抜けたときは、アイシャドーなど化粧の工夫でカバーできます。フレームの太い眼鏡やサングラスをかけると、脱毛が目立たなくなります。まつ毛がないことで目にゴミが入りやすい場合は、外出時に眼鏡やサングラスをかけると軽減できます。


皮膚の変化2)

皮膚の色素沈着が起こります。卵巣を取り除いたことによる女性ホルモンの低下も影響して、皮膚の乾燥やしわなども生じます。


色素沈着に対するケア

色素沈着に対するケア 色素沈着に対するケア

色素沈着(しみ)が気になるときは、ファンデーションでカバーできない部分にコンシーラーを使うとよいでしょう。ファンデーションと同じ、またはワントーン低いコンシーラーを使うと、しみが目立たなくなります。しみをカバーしきれないと感じたときは、あざなどを隠すためのメディカルファンデーションをコンシーラー代わりに使う方法もあります。 手術の傷あとや、放射線治療による色素沈着は、時間が経つと薄くなります。


皮膚の乾燥やしわに対するケア

「清潔」「保湿」「刺激を避けること」の3つを心がけることが大切です。化粧水をたっぷり使った後に、美容液、乳液またはクリームを使って保湿しましょう。洗顔後に蒸しタオルなどで顔を温めてから保湿すると、化粧水などの浸透がよくなります。治療前と同じスキンケア剤を使用できますが、気になる場合は、敏感肌用やアトピー肌用のものを試すとよいでしょう。


爪の変化

爪がもろくなったり、色が変わったりします。


爪のもろさ・変色に対するケア1)

爪のもろさ・変色に対するケア 爪のもろさ・変色に対するケア

もろくなった爪を整えるときは、爪切りよりも爪やすりの使用がおすすめです。爪を保護したり、変色をカバーしたりするためにマニキュアを使うこともできます。週1回程度であれば、マニキュア除去のために除光液を使用しても構いません。ネイルチップを爪に貼り付けることもできますが、無理にはがすと爪を損傷するため、はがすときはお湯につけてからはがしてください。
ジェルネイルやアクリルネイルなどは、長期間使用すると爪が薄く弱くなりやすい上、爪の下に感染症などが起きてもすぐに発見できないため、使用を避けてください。

用語集

色素沈着
代謝障害などにより、生体内に色素が病的に出現すること5)

  • 日本婦人科腫瘍学会・日本産婦人科乳腺医学会・日本女性医学学会 編:婦人科がんサバイバーのヘルスケアガイドブック, 診断と治療社, 東京, p43-46, 2020
  • 加藤 友康 監修:手術以後のすごし方 子宮がん・卵巣がん そのあとに…, 保健同人社, 東京, p63-68, 2015
  • 国立がん研究センターがん情報サービス 症状を知る/生活の工夫 脱毛 https://ganjoho.jp/public/support/condition/alopecia/index.html
  • 加藤 友康 監修:最新 子宮がん・卵巣がん治療 “納得して自分で決める”ための完全ガイド(「あなたが選ぶ治療法」シリーズ), 主婦と生活社, 東京, p100-105,110, 2018
  • 伊藤 正男ほか 編:医学書院 医学大辞典 第2版, 医学書院, 東京, p1127, 2009