腎細胞がんの転移と再発

腎細胞がんの転移と再発

腎細胞がんの転移

がんの進行・転移

がん細胞は、コントロールを無視して無秩序に増殖し続け、やがて周囲の正常な組織や臓器に直接広がったり(浸潤)、血管やリンパ管を通って発生した場所から離れ(転移)、移動した先で再度増殖したりします。

※「腎細胞がんの発生と増殖」もご参照ください。

がん細胞の浸潤と転移

がん細胞の浸潤と転移

がんの進行にはどのような要因が関係しているのですか?

がんの進行には、一般に、がんがある場所やがんの特徴、がんの大きさに加え、患者さんの状態、受けた治療の内容や効果など、さまざまな要因が影響しています。

腎細胞がんの主な転移部位

腎臓は血管が豊富な臓器であるため、腎細胞がんは肺や骨、脳、肝臓など血液の流れが豊富な場所に転移することが多いとされています。特に肺への転移が多く、次に骨への転移が多いです。さらに、リンパの流れが集まる場所であるリンパ節にも転移することがあります。そして、転移した部位によっていろいろな症状を引き起こします。

腎細胞がんの主な転移部位と転移による症状

腎細胞がんの主な転移部位と転移による症状
転移したがんの治療

腎細胞がんが転移した場合、薬物療法を中心とした治療が行われます。完全に切除することが可能であれば手術が選択されることもありますが、全身状態が悪い場合、多くの臓器に転移が認められる場合、完全に切除することができない場合などでは、手術は行われません。

骨への転移によって骨の痛みがある場合や脳に転移したがんに対しては、放射線療法が考慮されることもあります。

例えば、腎細胞がんが肺に転移したら、肺がんになるのですか?

転移したがん細胞は、もと(転移前)の場所にできたがん細胞と同じものです。つまり、腎細胞がんが肺に転移しても肺がんの性質を持つ細胞になるわけではなく、腎細胞がんの性質を持った細胞のままです。肺に転移したがんは、腎細胞がんの肺転移(転移性腎細胞がん)と診断されます。

転移性腎細胞がん

腎細胞がんの治療フロー

がんの再発

治療によって目に見える大きさのがんがなくなっても、再びがんが増殖してくることや、新たな場所に出現することがあります。これを「がんの再発」といいます。

治療したのに、なぜ再発するのですか?

手術をしても目に見えないような小さながんが取りきれずに残っていたり、薬物療法や放射線療法でいったんがんが小さくなっても、再び増殖してしまうことがあります。
腎細胞がんの場合、どのような患者さんで再発する可能性が高いかについては、まだわかっていません。転移や再発を早期に発見するため、定期的に診察・検査を受けることがとても重要です。

再発がんの治療

腎細胞がんが再発した場合、転移した場合と同様に、薬物療法を中心とした治療が行われます。また、がんの状態や全身状態によって、手術が考慮されることもあります。