武田薬品工業株式会社

PID患者さんとご家族へのインタビューへ

診断
症状ごとにバラバラに対処していてもダメだと気づいて病気のことを調べるように

症状と経過をまとめた記録をもとに自分で調べた結果、PIDつばさの会にたどりつき、適切な治療を開始できました。元気がでてきたので、家族と泊りがけの旅行を計画中です。

Yさん(50歳代)

原発性免疫不全症(PID)の病型は、分類不能型免疫不全症(CVID)

症状ごとにバラバラに対処していてもダメだと気づいて病気のことを調べるように

小さい頃から副鼻腔炎、中耳炎、外耳炎にかかったり、唇や腸が腫れたり、発熱したりといったことが多く、症状にあった診療科を転々とし、相談をしていました。ここ10年くらいは、免疫機能が低下しているのではないかということをおっしゃる先生もいたのですが、特に免疫機能の検査をすることもありませんでした。
あるとき、気管支炎にかかってしまったため総合病院を受診しました。唇が腫れているのを見た先生が血液検査をしたところ、免疫機能が低下していることがわかりました。そのとき、担当の先生が「どこに紹介していいかわからない」とおっしゃられたのを聞いて、総合的に診てくれるところを自分で探さなければと思うようになりました。途中、3ヵ月間ずっと検査ばかりして過ごした時期もあり、辛かったです。今に至るまでの経過を全て記録にまとめ、それを振り返りながら、インターネットで調べました。そして、PIDつばさの会にたどりついたのです。

PIDつばさの会のサポートを受けてやっとPIDと診断される

PIDつばさの会で教えていただいたサイトを検索して、免疫内科を見つけ、受診することにしました。
その免疫内科の先生から、遺伝子検査が可能な病院をいくつか教えていただきました。そのうちの一つが今かかっている大学病院の小児科で、そこでやっとPIDと診断されたのです。

適切な治療で生活が変化

PIDと診断される以前は唇が腫れたり、腸が腫れてお腹が痛くなったり、外耳道炎のステロイド点耳薬や副鼻腔炎の抗生物質をずっと服用しているような状態でしたが、PID診断後に免疫グロブリン補充療法を受けるようになってからは、そういったことは、ほとんどなくなりました。以前は外耳炎が頻発していたので、イヤホンをつけることもできませんでしたが、今はつけられるようになりました。副鼻腔炎の薬もずっと服用していましたが、それも必要な機会は少なくなりました。唇や喉が腫れるので、ステロイドも服用していましたが、それも必要なくなりました。体がだるいのもだいぶ楽になってきて、お腹が痛くなるのも少なくなったように思います。それまでは無理をしたらよくないと思い、なるべく家でじっとしていたのですが、熱が出なくなったことで、そういうこともなくなりました。

治療がきっかけで前向きになり旅行の計画も立てられるように

今せっかくこうして元気にいられるのだから、できることは、いろんなことにチャレンジしようという思いが生まれました。今は刺繍に没頭したり、子どもと一緒にジグソーパズルをするようになり、気持ちが前向きになりました。今は遠方で一人暮らしをしている父に1泊2日で会いに行く計画を立てています。以前は何ヵ月も前から旅行に行く計画など立てられず、行けても宿泊の必要がない日帰りで行ける場所しか考えなかったので、こうして父に会いに行けるのはとてもうれしいです。父にひ孫の顔を見せるのがとても楽しみです。