植物のご紹介

ナツメ

ナツメ

Ziziphus jujuba Mill. クロウメモドキ科(Rhamnaceae) 
生薬名:大棗(タイソウ)  薬用部位:果実
ヨーロッパ南部、アジア西南部に分布する落葉小高木で、日本には中国から渡来し、各地で広く栽培されるようになりました。特に新梢の節に鋭いとげをつけ、剪定などをする時に、指先や手の甲に刺さって怪我をします。和名のナツメ(夏芽)は、その芽立ちがおそく、初夏に入ってようやく芽を出す特性を指しています。ジジフスサポニンなどの成分を含み、抗補体作用が報告されています。一般用漢方製剤263処方には、副作用の緩和を目的に、葛根湯(かっこんとう)、甘麦大棗湯(かんばくたいそうとう)、小柴胡湯(しょうさいことう)など84処方に配合されています。

4~5月頃、葉えきに目立たない黄色の小さな花が咲きます。

果実は古くなったリンゴのような味がします。また茶道で使う茶入れの器は、果実の形を模写したものであることから「棗(なつめ)」と呼ばれています。

9~10月に未成熟の果実を採取し、蒸してから乾燥したものが生薬になります。