植物のご紹介

クチナシ

クチナシ

Gardenia jasminoides Ellis アカネ科(Rubiaceae)
生薬名:山梔子(サンシシ) 薬用部位:果実
 静岡県以西に広く分布し、庭園樹としても多く植栽される常緑低木です。完熟した果実を乾燥したもので、成分としてはゲニポサイド、クロシンなどが含まれており、消炎、止血、利胆、解熱、鎮静薬として黄連解毒湯(おうれんげどくとう)、加味逍遥散(かみしょうようさん)など一般用漢方製剤263処方中の17処方に配合されています。色素は飛鳥時代から布地を黄色に染める染料として用いられ、現在でも“栗きんとん”などの食品の着色料に用いられます。和名の由来には諸説あり、寒さに当たって朽ち果てるまで裂開しないことから“口無”に由来する説が有力です。

わが国では、6月から7月頃に芳香の強い白色の大きな花を咲かせます。

秋には、黄紅色の果実がなります。果実は萼筒が肥大したもので、真の果実ではなく「偽果」といわれます。

大輪八重咲き種(ヤエクチナシ、var. ovalifolia Nakai)もあります。