植物のご紹介

チョウジノキ

チョウジノキ

Syzygium aromaticum (L.) Merr. et L.M.Perry フトモモ科(Myrtaceae) 
生薬名:チョウジ(丁子)  薬用部位:蕾
南太平洋のモルッカ諸島(インドネシア領で、香料諸島と呼ばれています)に分布して、高さ10mほどになる熱帯性の常緑樹です。和名は蕾の乾燥品がクギのような形をしており、丁という字に似ていることに由来し、また英名のクローブもフランス語のクルー(clou 釘の意)が語源です。18世紀末、フランス人によって東アフリカ沿岸地帯に移植されたものが発展し、今日ではマダガスカル島などで世界市場の8割以上が生産されています。「丁子」には、オイゲノールを主成分とする精油を含み、芳香性健胃薬、局所麻酔、鎮痛作用として配合され、「治打撲一方(ぢだぼくいっぽう)、柿蒂湯(していとう)など一般用漢方製剤294処方のうち4処方に配合されています。防腐剤としても利用されます。

蕾は、始め白色で、緑色を経て鮮紅色に変わります。

開花直前の蕾を採集・乾燥したのが生薬「チョウジ(丁子」です。

同属植物にはトロピカルフルーツのグアバ(Psidium guajava L.)があります。