植物のご紹介

ボウフウ

ボウフウ

Saposhnikovia divaricata (Turcz.) Schischk. セリ科(Apiaceae)
(局方)Saposhnikovia divaricata Schischkin セリ科(Umbelliferae)
生薬名:ボウフウ(防風)  薬用部位:根・根茎
中国北部からシベリアに分布する多年草です。草丈40~60cmになり、7~8月に花を咲かせます。日本には江戸時代の享保年間に渡来しました。生薬「ボウフウ」は本種の根及び根茎で、フラキシジン(クマリン)などの成分を含み、鎮痛、解熱などの作用があります。一般用漢方製剤294処方のうち、独活湯(どっかつとう)、防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)など25処方に配合されています。

移植を嫌い、比較的冷涼な気候での栽培を好む薬用植物です。

奈良県大宇陀にある森野藤助(とうすけ)氏の薬園で栽培されたことから、「トウスケボウフウ」の別名があります。

ハマボウフウ(Glehnia littoralis F.Schm. ex Miq.)の根及び根茎は、インペラトリンなどの成分を含み、鎮痛、解熱などの作用があることから、ボウフウの代用品として使われていました。