植物のご紹介

サジオモダカ

サジオモダカ

Alisma plantago-aquatica L. var. orientale Sam. オモダカ科(Alismataceae)
(局方) Alisma orientale (Sam.) Juzepczuk
生薬名:タクシャ(沢瀉)  薬用部位:塊茎   
日本の東北以北、アジア北東部に分布する多年草です。湖沼やため池などの湿地に生育し、草丈60~80cmになり、6~7月に開花します。この仲間は温帯、熱帯地方に30種程度が知られています。日本では本種とヘラオモダカ(A. canaliculatum A.Br. et Bouch.)が自生しています。生薬「タクシャ」は本種の塊茎で、通例、周皮を除いたもので、アリソール(トリテルペン)などの成分を含み、利尿、止渇などの作用があります。一般用漢方製剤294処方のうち、八味地黄丸(はちみじおうがん)、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、五苓散(ごれいさん)など28処方に配合されています。

和名は葉の形がさじ(スプーン)に似ていることから名付けられました。

花は、昼頃に開き、夕方には閉じる一日花です。

生薬の多くは中国産で、四川省および福建省で大規模に栽培されています。日本ではかつて長野県、北海道で少量が栽培されていました。