アドセトリスによる治療を受ける患者さんへ

未治療のCD30陽性末梢性T細胞リンパ腫治療でアドセトリスの投与を受ける患者さんへ

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副作用アドセトリスの副作用は?

アドセトリスの副作用は?

アドセトリスによる治療中は、ほとんどの患者さんで何らかの副作用がみられています。副作用には個人差があり、どのような症状が、いつ頃、どの程度あらわれるかは患者さんによって異なります。
予測される副作用を理解することは、早期対処により副作用の重症化を回避し、アドセトリスによる治療の継続につながりますので大切です。
これからご紹介する症状以外でも、気になる症状がある場合は、がまんしないで医師、薬剤師、看護師にご相談ください。


アドセトリス治療(A+CHP療法)でよくみられる副作用

骨髄抑制

骨髄抑制こつずいよくせい感染症かんせんしょう

血液を作っている骨髄が影響を受けることにより、赤血球や白血球、血小板などが減少することがあります。感染防御に働く白血球が少なくなることにより、抵抗力が低下して、感染症にかかりやすくなります。
突然の高熱、寒気、のどの痛みなど風邪のような症状や、顔色が悪い、疲れやすいなどの貧血症状、青あざができやすい、出血しやすい(歯ぐきの出血、鼻血、生理などが止まりにくくなる)などの症状があらわれることがあります。
このような症状があらわれた場合は、すぐに医師、薬剤師、看護師にお知らせください。

対策:日常生活での注意点は?

その他、だるい、頭が重い、どうき、息切れ、咳が出る、手足の点状出血、口や肛門周囲の痛みを伴うただれなどの症状があらわれることがあります。

末梢神経障害

末梢神経障害まっしょうしんけいしょうがい

手足の先がしびれる、痛くなる、熱さや冷たさを感じにくくなる、感覚が鈍くなる、⼿⾜の⼒が⼊らないなど感覚の異常症状があらわれます。場合によっては、歩行困難など動作にも支障をきたします。
このような症状があらわれた場合にはがまんしないで、すぐに医師、薬剤師、看護師にお知らせください。

対策:日常生活での注意点は?

ボタンがかけにくい、物がつかみづらい、歩⾏時につまずくことが多いなどの症状があらわれることがあります。

吐き気・おう吐

・おう

吐き気やおう吐が起こることがあります。おう吐により水分だけではなく体に必要な電解質も失われてしまうため、脱水症状に注意が必要です。
激しい吐き気がある場合や、何回もおう吐してしまった場合は、がまんせずに、すぐに医師、薬剤師、看護師にお知らせください。

下痢げり

下痢が起こることがあります。下痢の症状があらわれているときは、油っぽい食べ物や、乳製品、香辛料を多く使っているなど刺激の強い食べ物は避けるようにしましょう。また、脱水に注意し、スポーツドリンクなどで水分補給を心がけましょう。下痢は治療後数日以降に起こることもあります。
発熱や腹痛を伴う場合、症状がひどい場合は、医師、薬剤師、看護師にお知らせください。

便秘

便秘べんぴ

腸管の動きが悪くなり、便秘が起こることがあります。症状によっては下剤を服用し、排便のコントロールをする必要があります。水分の補給や食物繊維の多い食事、適度な運動を心がけることも大切です。
症状がひどい場合や、処方された下剤では十分な効果が得られない場合は、医師、薬剤師、看護師にお知らせください。

疲労ひろう

体がだるい、しんどい、やる気が出ないなどの症状が起こることがあります。無理せずこまめに休息をとるようにしましょう。
日常生活に支障が出るような場合は、医師、薬剤師、看護師にお知らせください。

脱毛だつもう

脱毛が起こることがあります。この脱毛は一時的なもので、治療を開始して通常1〜3週間で抜け始めますが、治療が終わると徐々に回復します。洗髪は問題ありませんが、刺激の強いパーマやカラーリングは避けたほうがよいでしょう。
気になることがある場合は、医師、薬剤師、看護師にお知らせください。

その他の注意すべき副作用

注入反応

注入反応ちゅうにゅうはんのう

アドセトリスの点滴を開始してから24時間の間に起きる薬剤過敏症やくざいかびんしょうで、多くは点滴時または点滴開始後数時間以内に起きます。まれに、ショックなどのアレルギー様症状がみられることがあります。
発疹やかゆみなどのアレルギー症状があらわれたら、すぐに医師、薬剤師、看護師にお知らせください。

発熱、息苦しい、じんま疹が出る、かゆい、腫れる(むくみ)、心臓がどきどきする、寒気、吐き気、咳などの症状があらわれます。

肺障害

肺障害はいしょうがい

肺に炎症(間質性肺炎など)が起こり、呼吸しにくくなることがあります。
今まで問題なくできた動作(例えば階段を上がる)で、息切れを伴う咳、息苦しい、発熱、だるいなどの症状があらわれた場合は、すぐに医師、薬剤師、看護師にお知らせください。

腫瘍崩壊症候群しゅようほうかいしょうこうぐん

おくすりの効果でがん細胞が急速に死滅したことに伴って起きるものです。「血液・尿検査」、「尿量測定」での確認が必要となります。治療開始後12~72時間以内に起きることが多く、尿量が減ったと気づいたら医師、薬剤師、看護師にお知らせください。
また、予防として水分補給が大切です。

急性膵炎

急性膵炎きゅうせいすいえん

膵臓すいぞうに炎症を起こすことがあります。
おなかの上部に強い痛みを生じ、吐き気やおう吐を伴います。
胃のあたりが痛む、吐き気がある、あるいはおう吐をした場合は、すぐに医師、薬剤師、看護師にお知らせください。

肝炎

肝炎かんえん

肝臓に炎症を起こすことがあります。
発熱、黄疸おうだん全身倦怠感ぜんしんけんたいかんなどの症状がみられたら、すぐに医師、薬剤師、看護師にお知らせください。

進行性多巣性白質脳症しんこうせいたそうせいはくしつのうしょう(PML)

治療による免疫力低下により、健康な人でも体内にもっているウイルスが活発になり、脳内のあちこちに病巣が作られる病気です。発現頻度はまれですが、起こった場合には速やかに処置をする必要があります。
初期の症状は、手足のまひ、発語することや、話された言葉を理解することが困難になる、記憶・思考・判断力の障害、視力障害などです。
このような症状があらわれた場合は、すぐに医師、薬剤師、看護師にお知らせください。

高血糖こうけっとう

血液の中に含まれる糖の濃度(血糖値)が高い状態になることがあります。高血糖が長く続くと全身の様々な臓器に障害をもたらします。血糖値が極めて高い状態では、昏睡こんすいに陥ることもあります。症状としてはのどが乾くことがあげられますが、多少の血糖値の増加では症状がみられないことが多いです。
のどが乾く症状があらわれたら、すぐに医師、薬剤師、看護師にお知らせください。

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