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現在、新型コロナウイルス感染症の感染対策は、個人の判断で行うことになっているため千差万別です。ほとんど対策をしていない人、施設も多いでしょう。
だからこそ、重症化リスクの高い高齢者などは自ら必要十分な感染対策を行い、自己防衛することがとても大切です。新型コロナウイルス感染症が感染症法の5類となって以降の「今」、行うべき感染対策について、具体的に確認していきましょう。
まず守るべき
「5つの基本」
他の感染症対策にもなり
一石二鳥!
お住まいの地域で流行が落ち着いているときでも、日頃から体調を整え、感染対策を心がけましょう。まず、守るべき基本は次の5つです1)。
新型コロナウイルス感染症対策の
5つの基本
体調不安や発熱・下痢・嘔吐・発疹などの症状が出てきた場合は、自宅で療養あるいは医療機関を受診。

その場に応じたマスクの着用や咳エチケットを。
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※普段使用するのは不織布マスクがおすすめ
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※咳エチケット:咳・くしゃみが出るときはマスク、ティッシュ、ハンカチ、衣類の袖などで鼻や口を押える

換気、三密(密集・密接・密閉)を回避。

手洗いを日常の生活習慣に。
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※帰宅時、食事前、トイレの後は、20~30秒かけて流水と石鹸でていねいに洗いましょう。アルコールなどの手指消毒液でもOK

良い生活習慣を実践し、健やかな暮らしを。
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※適度な運動、栄養バランスの良い食事、十分な睡眠を心がけましょう
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※アルコール、たばこは控えましょう

この5つの基本は、新型コロナウイルス感染症はもちろん風邪やインフルエンザなど、他の感染症予防にもなります。体力や免疫力が落ちている高齢者にとっては、重要な日常習慣です。
特に、重症化リスクの高い人が多く集まっている、医療機関や高齢者施設などを訪問するときには、自分がうつらないようにするだけでなく、誰かにうつさないようにするためにも、5つの基本をしっかり守りましょう。
検査キットを薬箱に常備
「あれ?」と思ったらまず
電話相談
新型コロナウイルスは多くの場合、咳、くしゃみ、会話などで口や鼻から出る飛沫やエアロゾル(飛沫よりさらに小さい粒子)などを介して感染します2)。
もしも、なんとなくだるい、喉が痛い、咳が出る、熱がある、といった症状が出て、「新型コロナウイルス感染症かも!?」と思ったら、まずは医療機関(発熱外来を設けている病院やかかりつけ医など)に電話で連絡し3)、指示に従いましょう。いきなり医療機関に行っても、受診できないことがあります。
検査キットがあれば、簡単な手順で陽性かどうか調べることができます。常備薬と一緒に検査キットを常備しておくことをおすすめします3)。
検査キットは薬局、ドラッグストア、インターネット通販などで購入できますが、必ず「体外診断用医薬品」または「第一類医薬品」と表示されたものを選びましょう4)。
正しい検査キットの見分け方
国が承認した医療用医薬品または一般用医薬品(OTC)の抗原定性検査キットは、
- 【体外診断用医薬品】または【第1類医薬品】と表示されています。
- 取扱い薬局・薬店(インターネット含む)で薬剤師に相談して購入してください。

購入時に薬剤師などから使い方などについて説明があります。

「医薬品」との表示は
ありません。
(注)○×は承認の有無を示します。
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※「研究用」は健康フォローアップセンターでの登録等には使えません。
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※体外診断用医薬品によるセルフチェックを行った場合であっても診断にはなりませんので、留意してください。
厚生労働省 消費者庁 新型コロナウイルスの抗原定性検査キットは国が ! 承認した「体外診断用医薬品」を選んでください!(小冊子) をもとに作成
どの医療機関に相談すればよいか分からないときは、お住まいの地域の受診・相談センター(救急要請電話相談)などに相談しましょう3)。
救急要請電話相談
#7119(24時間対応)
急なケガや病気でどうすれば良いか迷ったとき、専門家が症状を聞いた上で、「今すぐ受診すべきか救急車を呼ぶべきか」などを判断してアドバイスします。
「陽性」でも軽症なら
自宅療養、
受診はまず電話相談から
検査キットや受診の結果が「陽性」であっても、落ち着いて対処することが大事です。
症状が軽い場合は自宅で療養しましょう。体を休め、外出は控えます。多くの場合、特別な治療をしなくても回復します。しかし、重症化のリスクを考えて頻繁に熱を測るなど経過に気を付けてください。
家族が同居している場合は、できるだけ生活スペースを分け、家の中でもマスクを着用し、換気を徹底しましょう5)。
発熱や胸が苦しくなるなど、症状がひどくなってきた場合は、早めに医療機関や救急要請電話相談などに連絡し、指示に従ってください。相談後、医療機関を受診することになったら、必ずマスクを着用して行きましょう。手洗いや咳エチケットを徹底し、他の来院者などに感染させないよう気を付けましょう3)。
家庭内感染を防ぐポイントは以下の通りです。参考にしてください6)。
家庭感染を防ぐ対策4つのポイント

窓を開けて換気を

生活スペースを分ける

室内でもマスクを着用

こまめな手洗い・手指消毒
厚生労働省 感染対策・健康や医療相談の情報 をもとに作成
ワクチン接種は年1回、
高齢者は自治体の費用補助も
現在、新型コロナワクチンは定期接種となっています。対象者は65歳以上、または60~64歳で心臓、肺、腎臓、免疫に障害がある方7)。かかりつけのクリニックや病院などですぐに接種できます。
新型コロナワクチン定期接種の対象者
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65歳以上の方
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60~64歳で対象となる方※
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※心臓、腎臓または呼吸器の機能に障害があり、身の回りの生活が極度に制限される方、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)により免疫の機能に障害があり、日常生活がほとんど不可能な方。
定期接種は毎年秋冬に1回行うことができます
また接種費用は自治体(市区町村)によって異なります
詳しくは住民票のある自治体にお問い合わせください
厚生労働省 新型コロナワクチンについて をもとに作成
ワクチン接種は
一度のアクションで
長く安心できる感染予防策
換気や三密回避、手洗い、適度な運動、栄養バランスの良い食生活、十分な睡眠-。そうした感染症対策は、どれも健康な毎日のために続けていきたい、大切な習慣です。ただ、そうした中でも、たった一度のアクションで最も長く安心できる感染症対策が、ワクチン接種です。
つい「自分は大丈夫」と思いがちですが、日々の生活でどれだけ気を付けていても、感染のリスクをゼロにすることはできません。ウイルスから自分や家族を守り、重症化、入院、医療費負担などを防ぐためにも、ワクチンの定期接種を検討してください。
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