カボメティクスのはたらき

カボメティクスは、肝細胞がんの増殖・浸潤・転移にかかわる3つの分子(VEGFR、MET、AXL)を標的としてはたらく分子標的薬です。
※分子標的薬については、「分子標的薬とは」をご参照ください。

血管の内側にある細胞(血管内皮細胞)の膜上にはVEGFRというVEGFと結合する「受容体」のはたらきをもつ分子が存在しています。
カボメティクスは、このVEGFRを阻害して「新生血管の形成」というシグナルの伝達をブロックします。
血管内皮細胞の膜上には、他にも「受容体」のはたらきをもつ分子が存在しています。

「新生血管の形成」が抑制されると

がん細胞への酸素・栄養素の供給が断たれ、がん細胞は縮小し、
がん細胞の増殖・浸潤・転移が抑えられます。

がん細胞の増殖・浸潤・転移が抑制される

※「がん細胞の増殖に必要な新生血管形成のしくみ」もご参照ください。

参考

分子標的薬とは

ヒトの細胞は膜(細胞膜)でおおわれていて、その膜の表面には「受容体」という、細胞の外からのシグナルを伝える受け口があります。細胞に「増殖せよ」というシグナルを送る「増殖因子」が受容体に結合するとシグナルが細胞の内部に伝わって、細胞の増殖が起こります。がんでは、このしくみに異常があって、細胞が無秩序に増殖してしまいます。
分子標的薬は、細胞膜の表面にある特定の分子を標的とすることにより、効率よくがん細胞を攻撃するおくすりで、さまざまながんの治療に用いられています。

分子標的薬は、増殖因子のかわりに受容体と結合してしまう(増殖因子と受容体との結合をブロック)、または受容体のはたらきを阻害することにより、がん細胞の増殖・浸潤・転移を抑えるおくすりです。

分子標的薬のはたらき