ご自身やご家族に
気になる症状がある方
ファブリー病の特徴的な症状
ファブリー病は遺伝性の病気です。子どもの頃に特徴的な症状があってもファブリー病と気づかず、大人になってはじめてファブリー病と診断されることがあります。これまでにご自身やご家族に以下の症状がみられた、あるいは気になる症状がみられる場合については、「病院を検索する」サービスをご利用ください。
以下の症状は、必ずみられるとは限らず、人により症状の出方や時期が異なる場合があります。
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腎臓の症状腎臓の機能が低下し、30歳以降に尿タンパクがみられ、40歳以降には腎不全に至ることがあります。 -
心臓の症状心肥大や不整脈などがみられます。ファブリー病の症状の進行とともに心臓の機能が低下し、心不全に至ることがあります。 -
脳の症状脳梗塞や脳出血がみられます。 -
神経の症状2歳頃から、手足に繰り返す強い痛みがみられます。痛みは、運動や発熱、暑い気候により引き起こされることが多く、数分から数時間持続します(四肢末端痛)。さらに持続的な感覚異常(鈍くなる・しびれる・チクチクする)がみられることもあります(肢端感覚異常)。また、自律神経の障害により、皮膚が乾燥し、暑くても汗をかきにくくなります(発汗障害)。 -
耳の症状聴力の低下やめまいがみられます。 -
消化器の症状下痢や腹痛がみられます。 -
皮膚の症状胸から膝の範囲に赤い発疹がみられます(被角血管腫)。数が少ないために気がつかないことも多いですが、学童期から発生し、次第に数と大きさが増えていきます。また、発汗機能が障害されることで、皮膚が乾燥し、暑くても汗をかきにくくなります(発汗障害)。 -
眼の症状角膜の混濁がみられます。水晶体や結膜、網膜に症状がみられることもあります。
日本先天代謝異常学会.ファブリー病診療ガイドライン2020.診断と治療社, 2021.
小児慢性特定疾病情報センター
(https://www.shouman.jp/disease/details/08_06_091/)
(2026年2月17日閲覧)
小児慢性特定疾病情報センター
(https://www.shouman.jp/disease/details/08_06_091/)
(2026年2月17日閲覧)
ファブリー病について
ファブリー病とは
わたしたちの体内では、日々、必要な物質をつくり出したり、不要な物質を分解したりしています。とくに細胞の中にある「ライソゾーム」というところでは、さまざまな「酵素」が分解を担っています。ファブリー病は、一部の酵素のはたらきが低下することで、不要な物質分解されずに細胞にたまってしまい、全身にさまざまな症状がみられる病気です1)。ただし、ファブリー病の症状は年齢により異なり、子どもの頃は手足の痛みや汗をかきにくいなどの症状がよくみられますが、年齢とともに心臓や脳、腎臓の症状がみられるようになります2,3)。
1) 難病情報センター(https://www.nanbyou.or.jp/entry/4063)(2026年2月17日閲覧)
2) 日本先天代謝異常学会. ファブリー病診療ガイドライン2020. 診断と治療社, 2021.
3) 小児慢性特定疾病情報センター(https://www.shouman.jp/disease/details/08_06_091/)
(2026年2月17日閲覧)
2) 日本先天代謝異常学会. ファブリー病診療ガイドライン2020. 診断と治療社, 2021.
3) 小児慢性特定疾病情報センター(https://www.shouman.jp/disease/details/08_06_091/)
(2026年2月17日閲覧)
ライソゾーム病について-
細胞の中にある「ライソゾーム」には、不要な物質を分解するためのさまざまな「酵素」が存在します。ライソゾーム病は、これらの酵素のはたらきが生まれつき低下していることにより、不要な物質が分解されずに細胞にたまってしまう病気です。酵素の種類により症状は異なりますが、全身にさまざまな症状がみられ、年齢とともに症状も徐々に進行することが特徴です。ファブリー病もライソゾーム病の一種です。難病情報センター(https://www.nanbyou.or.jp/entry/4063)
(2026年2月17日閲覧)
遺伝する病気 -ファブリー病-
ファブリー病は親から子へと受け継がれる遺伝性の病気です。ファブリー病の原因となる遺伝子はX染色体上に存在し、X連鎖遺伝という遺伝形式をとります。一般的に男性はX染色体とY染色体を1本ずつ、女性はX染色体を2本持ち、変化した遺伝子が存在するX染色体は親から子へと受け継がれる可能性があります。
ファブリー病のタイプ
男性と女性でファブリー病の症状のあらわれ方が異なります。男性では子どもの頃から症状があらわれるタイプ(古典型)や大人になってから症状があらわれるタイプ(遅発型)、女性では無症状から重い症状まで、患者さんによって症状のあらわれ方はさまざまです。
男性の場合
古典型
子どもの頃からファブリー病に特徴的な症状があらわれ、全身にさまざまな症状がみられます。
子どもの頃からファブリー病に特徴的な症状があらわれ、全身にさまざまな症状がみられます。
主な症状
子ども
手足の痛み、汗をかきにくいなどの神経や皮膚の症状 など
大人
タンパク尿や腎不全などの腎臓の症状、心肥大や不整脈、心不全などの心臓の症状、脳梗塞や脳出血などの脳の症状 など
遅発型
子どもの頃には症状があらわれず、大人になってから心臓(心亜型)や腎臓(腎亜型)など一部の臓器に症状がみられます。
子どもの頃には症状があらわれず、大人になってから心臓(心亜型)や腎臓(腎亜型)など一部の臓器に症状がみられます。
女性の場合
ファブリー病を発症する年齢や症状の進行は男性に比べて遅い傾向がありますが、無症状から重い症状まで、患者さんによって症状の程度やあらわれ方はさまざまです。
日本先天代謝異常学会.ファブリー病診療ガイドライン2020.診断と治療社, 2021.
ファブリー病の診断
ファブリー病は、症状と検査にもとづき診断されます。
症状の確認
手足の痛み、汗をかきにくいなどの神経や皮膚の症状、腎臓や心臓、脳などのファブリー病に特徴的な症状について確認します。また、ファブリー病は遺伝する病気であるため、ご家族にファブリー病が疑われる症状があるかどうかについても診断の重要なポイントとなります。
検査の実施
酵素活性の測定
体内で不要になった物質を分解する酵素のはたらきが低下しているかどうかを確認します。

遺伝子検査
酵素をつくる遺伝子に変化があるかどうかを確認します。

女性では、酵素のはたらきから診断を確定することが難しい場合があります。症状や遺伝子検査、その他の検査の結果より総合的に診断します。
日本先天代謝異常学会.ファブリー病診療ガイドライン2020. 診断と治療社, 2021.
小児慢性特定疾病情報センター
(https://www.shouman.jp/disease/instructions/08_06_091/)
(2026年2月17日閲覧)
小児慢性特定疾病情報センター
(https://www.shouman.jp/disease/instructions/08_06_091/)
(2026年2月17日閲覧)
大切なのはより早い診断
ファブリー病は、患者さんごとに症状のあらわれ方や程度が異なることなどから診断が難しく、発症から診断までに10〜15年程度かかるとされています。また、症状も年齢とともに徐々に進行し、若くして亡くなる場合も多いことが知られています。
ファブリー病は、適切なタイミングで治療を開始することで、症状の改善や進行を抑えることが期待できます。ファブリー病の症状をコントロールし、QOL(生活の質)や経過をよりよいものとしていくためにも、より早期の診断が重要です。

日本先天代謝異常学会.ファブリー病診療ガイドライン2020.診断と治療社, 2021.


