汗をかきづらい、手足が痛くなる… 「ファブリー病」をテーマにした、佑とケッタの友情物語

ピカピカに晴れたある日。小学3年生の佑は、
いつものように近所のふくろう博士の研究室へ。
ゲームをしていると、突然大きな揺れが…!
そこに現れたのは宇宙人ケッタ。
初めて地球に来たケッタは、やってみたいことを次々と提案。
佑と一緒に遊ぶけど、なんだか佑の様子がおかしい。
その原因には「ファブリー病」が隠れていたのだった……

ファブリー病って
なぁに?

ファブリー病は、細胞内での糖脂質の分解に必要な酵素が、生まれつき足りないために、
全身の細胞に糖脂質が蓄積する先天代謝異常症です。
この病気は、幼児期や学童期に強い手足の痛みや、汗をかかない、おしりなどに赤紫色の発疹、
腹痛や下痢などの症状が現れます。

物語の主要登場人物

  • 佑(ゆう)

    小学校3年生。身体を動かして暑くなると嫌な感じになるので、友だちと遊びたいけど外で遊ぶのが苦手。色んな症状が出ているけど、体質だと思いこんでいる。科学、宇宙に興味津々。

  • ケッタ

    ケプラー1652bという遠い星からやって来た子どもの宇宙人。住んでいる星はとても寒く、地球の“温泉”に憧れている。

佑君が困っていた症状

症状
01

気温が高かったり、運動などで身体を動かしても汗をかきづらいといった症状が現れます。
熱がこもるため、火照って顔や身体が赤らむことがあります。

症状
02

手足に熱いものや冷たいものに触れると鋭い痛みが現れます。
そのため、お風呂に入ることが苦手な方もいらっしゃいます。

症状
03

胸、お腹、陰部、太ももなどに赤色の湿疹(皮疹)が現れることがあります。
痛みや痒みはありません。

佑君のような症状が
見られる方は、
ぜひ以下のページをご覧ください。

人形劇『友だちみ~ケッタ!
#ファブリー病って
なぁに?』ができるまで

『友だちみ~ケッタ! #ファブリー病ってなぁに?』は、
患者団体、当事者ご家族、専門医、プロの人形劇団など、多方面の方々の協力のもと完成いたしました。

関係者からのコメント

  • 原田久生さん一般社団法人全国ファブリー病患者と家族の会(別称 ふくろうの会)会長

    脚本、動画を制作していく上で、当事者がどういった課題を抱えられているかなどの情報を共有しました。
    ファブリー病に罹患していても見過ごしたり、症状を我慢してしまう人は少なくありません。
    希少で複雑な疾患だからこそ、社会に周知・啓発していくことが重要で、人形劇という親しみやすい映像は、周知・啓発の“武器”になると考えます。
    少しでも悩んでいる方にとって、この人形劇が専門の病院に受診する動機付けになることを願っています。

  • 鮭鍋さんイラストユニット

    本動画のタイトルイラストは、ふくろうの会の会員でもあり、プロフェッショナルなイラストレーターとしてもご活躍の鮭鍋さんに描いていただきました。
    ファブリー病の見た目には分からない辛さを理解してもらえた時の喜びの気持ちを込めていただきました。

  • 酒井規夫先生大阪大学大学院医学系研究科 保健学専攻 教授

    本動画の脚本制作など一連の活動に監修として参加しました。
    佑君には汗をかかない、手足の激痛、皮疹などの症状が現れましたが、親御さんや祖父母にも同じような症状が出ていたがために、“体質”であって病気ではないと思われる方も少なくありません。でもファブリー病は放置すれば心機能や腎機能に大きな障害をきたす病気で、しかも治療できる病気です。
    少しでも気になる症状の方がいらっしゃれば、ぜひケッタ君のように病院に行くように助言してあげてください。

  • 阿部傑さん監督・演出

    本動画の監督・演出を担当しました。子どもと人形劇を観に行く機会が増えました。
    どの作品も様々な工夫で人形という制約を面白さに変えます。
    大人の私は大いに唸り、子どもは立ち上がるほど惹きつけられる。人形劇だから漏れ出す、人間らしい何かがあると感じます。
    ファブリー病の子どもたちが抱える痛みを、人形たちと一緒にお伝えできればと思っています。

  • スタジオノーヴァ脚本・人形制作・操演

    1970年、「人形劇団プーク」を母体に独立し、NHK Eテレの子ども向け番組をはじめ、様々な人形劇コンテンツの制作(人形制作、操演など)を行っており、今回は物語の脚本、人形の制作、操演を担当しました。
    ファブリー病と気づかず悩んでいるご家族、子どもたちにも佑君同じように気づきになればと思い脚本の作成から取り組んできました。
    子どもがぬいぐるみを自身の分身のように思い感情移入して遊ぶように、人形劇は子どもにとってとても親しみやすい物語世界を作ることが出来ます。
    大人にとっても、ほのぼのとした世界観を楽しみながら見て頂けると思います。
    美術制作や撮影現場においては、楽しい雰囲気を出すことを大事にセット、小道具、キャラクターのデザイン、画面の隅々までワクワクするような仕掛けを作っています。