監修:衞藤 義勝先生
一般財団法人脳神経疾患研究所
先端医療研究センター センター長
東京慈恵会医科大学 名誉教授
ファブリー病とは
ファブリー病は約7,000人に1人のとても希少な遺伝性の病気です1。
子どもの頃に特徴的な症状があってもファブリー病と気づかず、大人になってはじめてファブリー病と診断されることがあります。
大人の場合は子どもでみられる特徴的な症状にくわえて、心臓や腎臓に症状が現れることもあります。
出典:1. Inoue T et al. J Hum Genet. 2013; 58(8): 548-552.
大人でみられる症状
心肥大・心不全・不整脈
心肥大や不整脈などがみられます。ファブリー病の症状の進行とともに心臓の機能が低下し、心不全に至ることがあります。
心臓の症状(動悸・息切れなど)があります。心電図異常を指摘されることがあります。
尿タンパク質・腎不全
腎臓の機能が低下し、20歳以降に尿タンパクがみられ、40歳以降に腎不全に至ることがあります。
腎臓の病気の症状(むくみ・貧血など)がみられます。
脳梗塞、脳出血
脳梗塞や脳出血がみられることがあります。
子どもの頃からみられる症状
眼の症状
角膜の混濁、水晶体や結膜・網膜の病変
耳の症状
聴力の低下、めまい
消化器の症状
下痢、腹痛
神経の症状
手足が痛む・しびれる・チクチクする、汗をかきにくい
皮膚の症状
赤い発疹、汗をかきにくい
お風呂
熱いお風呂が苦手
ご家族にみられた・みられる症状
心不全・不整脈
脳梗塞
腎不全・透析
これらはファブリー病でよくみられる症状ですが、
ほかの病気の可能性もあり、正しい診断を受けることが重要です。
気になる症状がある場合は、お早めに医療機関への受診をご検討ください。