日常生活で気をつけること

腎機能の低下を防ぐため、次の点を心がけましょう

塩分を控える・血圧を管理する

腎臓は余分な塩分と水分を排泄し、血圧を調節するというはたらきをしています。塩分のとりすぎは、血圧を上昇させる大きな要因となります。腎臓の血管は細いため、血管に高い圧がかかること(高血圧)で傷つきやすく、腎機能が低下する原因になります。さらに、腎機能が低下すると、塩分や水分の排泄がうまくいかなくなり、その結果、血液量が増加して血圧が上昇する、といった悪循環におちいってしまいます。
このような悪循環を断ち切るため、塩分を控えるとともに、血圧の管理を心がけましょう。適切な塩分量については、医師・薬剤師・看護師にお尋ねください。

肥満を改善する

肥満は、腎臓の血行を変化させて、腎臓の機能に影響を及ぼします。さらに、肥満は、血圧を上昇させる大きな要因であり、腎細胞がんが発生する要因の一つでもあります。
食生活の見直し(栄養バランスを意識した食事)、適度な運動など、無理をしない程度にライフスタイルの改善に取り組みましょう。

禁煙する

タバコに含まれる成分は血管を傷めます。腎臓には細い血管がたくさん集まっているため、タバコの悪影響を強く受けます。また、タバコは腎細胞がんが発生する要因の一つです。腎機能を低下させないためには、禁煙することがとても重要です。

適度な運動とバランスのよい食事で体力の維持・回復を図りましょう

病気だから、治療中だからといって体を動かさないでいると体力や筋力が低下してしまい、治療を続けられなくなることがあります。適度な運動は、体の代謝や免疫の機能を高め、体力の維持・回復を助けます。また、気分転換にもなり、心身のストレスも減って、「生活の質(QOL)」が向上することもわかっています。医師とよく相談し、無理をしない範囲で体を動かすようにしましょう。
体力の維持・回復のためには食事をとることも大切です。いろいろな食品を組み合わせて、栄養バランスのよい食事をとりましょう。ただし、食欲がないとき、吐き気があるときなどは無理をせず、好きなものや食べられるものを少しずつ、ゆっくりとるようにしましょう。

女性患者さん、男性患者さんのパートナーが妊娠しないように気をつけましょう

妊娠する可能性のある女性患者さんは、カボメティクスを服用している間および服用終了から一定期間は避妊してください。避妊の方法は、経口避妊薬以外の適切な方法を用いましょう。
もし、妊娠していることに気づいたら、すぐに医師・薬剤師・看護師に連絡してください。
パートナーが妊娠する可能性がある男性患者さんは、カボメティクスを服用している間および服用終了から一定期間は適切な方法で避妊してください。

出血に注意しましょう

カボメティクスを服用している間、出血しやすい状態や血が止まりにくい状態になっていることがあります。そのため、出血を招くおそれのある行動をしないようにしましょう。ケガや転倒に注意する、歯ブラシは毛先のやわらかいものにする、歩きやすい靴をはく、便通を整えるなども大切です。

口の中を清潔に保ちましょう

口内炎や、細菌繁殖による感染リスクを軽減するため、口腔ケアが重要です。
また、定期的に歯科検診を受けましょう。その際、歯科医師から抜歯などを求められた場合は、医師・薬剤師・看護師に連絡してください。

定期的に通院して、診察・検査を受けましょう

腎細胞がんでは、最も転移しやすいのは肺で、骨や脳などにも転移する可能性があります。転移や再発を早期に発見するため、症状がなくても定期的に通院し、診察と検査を受けましょう。
おくすりによる副作用や体調の変化を調べるためにも、定期的な検査はとても大切です。

わからないこと、不安に思うことなどがあったら、
医師・薬剤師・看護師に相談してください