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P3施設について

Q:P3施設とは何ですか?

A:

遺伝子組換え実験を行う際には、遺伝子組換え生物等が施設外の大気や水、土壌中などに拡散することを防止するための「拡散防止措置」をとる必要があり、法令によりP1~P3レベルの拡散防止措置が定められています。P1からP3になるにしたがって、より高度な封じ込め対策が施されており、P3施設はP3レベルの遺伝子組換え実験を安全に行うための施設です。一方、遺伝子組換え実験とは別に、P3施設では病原体そのものを用いた実験も実施可能です。病原体の取り扱いは、遺伝子組換えとは別の法令(感染症法および関係法令)により規定されており、取り扱う病原体の種類に応じて、厚生労働省への許可申請や届出が義務付けられています。
新研究所に設置するP3実験室は、上記のうち、P3レベルの遺伝子組換え実験に対応する目的で設置するもので、新研究所全体で2室、研究実験棟の延床面積のごく一部(0.1%未満)です。一部に研究棟が丸ごとP3実験室であるかの風評もありますが、事実と異なります。

Q:P3施設では炭疽菌、HIVなどの病原体を研究すると伝えられていますが、本当ですか?

A:

遺伝子組換え実験とは別に、P3施設では、病原体そのものを用いた実験も実施可能です。P3施設は病原体が外部に漏洩することがないよう封じ込める構造になっており、病原体を安全に取扱うことができます。実際に、世界中の大学医学部や衛生研究所、製薬会社の研究所等で安全に稼動しています。国内でも、既に200施設以上が稼動していると言われています。P3施設は取扱施設ですので、施設が設置されることと、病原体が保持・保管されていることとは同義ではありません。現在、当社の研究所では感染症法で届出の対象となる病原体を保有していませんし、これらを用いた実験の計画もありません。ただし、長い将来を考えた場合、製薬会社の社会的な責任として感染症治療薬の研究を実施する可能性は否定できません。その場合は、感染症法等の関係法令に基づいて必要な許可申請や届出を行った上で、十分な教育を受けた研究者が安全に実験を行います。

Q:病原体を扱う施設の安全性はどうなっていますか?

A:

病原体の取扱いについては、感染症法等の関係法令に漏洩防止措置や管理体制が規定されており、これを遵守することで安全が確保されています。具体的には、HEPAフィルターによる排気処理、高圧滅菌器による排水処理、病原体の管理体制(施錠、記帳など)、病原体を投与された実験動物の逸走防止対策などが規定されています。 なお、現在、当社の研究所では感染症法で届出の対象となる病原体を保有していませんし、これらを用いた実験の計画もございません。

Q:HEPAフィルターとは何ですか?

A:

HEPAフィルターは、空気中から細菌やウィルスなどの病原体を除去するためのフィルターで、P3実験室だけでなく、高度の無菌性が要求される注射薬の製造設備や無菌治療室での無菌性を確保する目的でも利用されています。長年、P3施設の排気処理に使用されてきた実績があり、その安全性は確立されています。世界保健機関(WHO)の文書[*1]にも、「事実上、HEPA フィルターが、すべての既知の病原体を効果的に捕捉する事を可能にし、無菌の排気だけがキャビネットから放出されることを保証する。」と記載されています。

  • [*1] 実験室バイオセーフティ指針(WHO第3版、バイオメディカルサイエンス研究会)