日常的に介護の必要なく心身ともに健康で暮らせる期間を健康寿命といい、平均寿命から寝たきり、認知症などの介護状態の期間を差し引いて計算します。わが国の健康寿命は厚生労働省の発表(2016年)によると、男性72.14歳(平均寿命80.98歳)、女性74.79歳(平均寿命87.14歳)で世界でトップクラスですが、健康寿命と平均寿命の差が大きいことが問題です。そして、その原因のひとつが骨粗しょう症なのです。
骨粗しょう症によって骨がもろくなると、ささいな転倒でも骨折し、治療が長引き身体機能が低下して、そのまま寝たきりになるなど介護が必要になるおそれがあります。さらに寝たきりは認知症も誘発しやすくなります。つまり骨粗しょう症がこわいのは、転倒・骨折がきっかけとなって要介護状態や寝たきりとなり、「健康寿命」を短くしてしまうことにあるのです。健康寿命を延ばし平均寿命との差を縮め介護に頼ることなく健康で長く暮らすことが大切です。そのためにも骨粗しょう症に注意して気になることがあったら早く受診しましょう。