9.再発·再燃について
(治療変更のタイミング)

再発・再燃とは

治療によって減少し活動性が低くなった骨髄腫細胞、M蛋白が再び出現することです。多発性骨髄腫では、治療によって病状が安定しても、多くの患者さんが再発・再燃を経験します。

再発・再燃したときの治療法

再発・再燃後の治療法は、前の治療終了時から再発・再燃までの期間によって異なります。12か月以上経ってから再発・再燃した場合には、移植も含めて、効果のあった最初の治療を行います。
比較的早い段階で再発・再燃し、M蛋白の増加、貧血や骨病変の進行がみられるときには、プロテアソーム阻害薬、免疫調節薬、抗体製剤などを併用した薬物療法を行います。再発・再燃治療でも、骨髄腫による合併症に対する治療を行うことが重要です。
再発・再燃しても治療をすれば、多くの患者さんは、骨髄腫細胞やM蛋白が減少し病状が安定します。

再発の判断基準について

多発性骨髄腫の国際的なガイドライン(2014年版IMWG基準)で再発の基準には下記の段階があります(表8参照)。

M蛋白再発(paraprotein relapse) CRAB症状はないけれども、M蛋白の値が一定以上上昇している状態です。 ※CRAB症状=多発性骨髄腫における代表的な症状、カルシウム(Calcium)値の上昇、腎(Renal)障害、貧血(Anemia)、骨(Bone)病変の頭文字をとったもの。 臨床的再発(clinical relapse) CRAB症状の再発がある状態です。

表8 国際的な再発治療の開始基準

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一般的には、症状がなくてもM蛋白の上昇を放置すれば、CRAB症状などの再発につながります。また、M蛋白の上昇の仕方やCRAB症状の出現時期は、患者さんによってさまざまです(図5)。
どの時点で再発治療を開始するかは、患者さんの年齢、体力、持病の有無、臓器障害、検査数値の上昇の仕方などから総合的に判断します。CRAB症状が出る前に再発治療を開始したほうが治療の効果は大きく、患者さんの生活の質(QOL)を落とさずに、次の再発までの期間を遅らせられることができるという報告もあります。そのため、最近では、臨床的再発になる前、つまり、M蛋白再発の段階で再発治療を開始することが多くなっています。
ただし、患者さんの病状や治療状況によっても異なりますので、ご自身の状況については主治医とご相談ください。

図5 人によって異なる再発までの経過

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