4.造血幹細胞移植
について

造血幹細胞移植は、血液をつくる機能を回復させる治療法です。大量の薬物療法を行うと、骨髄中の正常な造血幹細胞もダメージを受けます。そのため、正常な造血幹細胞を、大量薬物療法のあとに移植して造血機能を回復させます。

自家末梢血幹細胞移植

大量の抗がん剤による薬物療法を行うと、骨髄腫細胞が障害されるとともに正常な造血幹細胞もダメージを受けます。そこで、あらかじめ患者さん自身から正常な造血幹細胞を、採取・保存しておきます。大量薬物療法のあと、その造血幹細胞を移植することにより造血機能を回復させる方法が、自家末梢血幹細胞移植です(図4)。
移植と大量薬物療法の併用は高い効果が期待できる半面、体への負担の大きい治療です。そのため、移植を受けられるのは、一般的には65歳以下で重篤な感染症がなく、肝臓、腎臓、心臓、肺の機能が十分に保たれているなどの条件を満たした人に限られます。

同種移植(ミニ移植を含む)とは

HLA(白血球抗原)の適合者がいる人は、再発治療の選択肢の1つに同種移植という方法があります。これは、大量薬物療法後に、HLAが一致した人の造血幹細胞を移植する治療法です。ただし、多発性骨髄腫に対する効果は確立されていないため、現段階では、臨床試験として実施すべき研究的治療に位置づけられます。

図4 末梢血幹細胞の採取方法

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血液の中には通常、造血幹細胞はほとんどありませんが、抗がん剤投与のあと、白血球を増やすおくすりG-CSF(顆粒球コロニー刺激因子)を注射すると、骨髄から血液中に造血幹細胞が出てきます。
また、骨髄から末梢血へ、造血幹細胞の遊離を促進させるおくすりも併用されることがあります。末梢血幹細胞の採取は、この時期に血液成分採取装置を使って行い、移植に備えて凍結保存します。
赤血球など、残りの血液成分は体に戻します。末梢血幹細胞の採取は入院して行います。