植物のご紹介

カラシナ

カラシナ

Brassica juncea (L.) Czern. アブラナ科(Brassicaceae)
中近東や中央アジアが起源地とされる一年草で、高さ1~1.5mになります。本種は、アブラナ(B. rapa L.)とクロガラシ(B. nigra W.D.J. Koch)が自然交雑してできた種といわれています。種子は「芥子(がいし)」といい、辛味配糖体であるシニグリンなどを含み、鎮痛作用を期待して用いられます。本種の種子は、「和からし」の原料で、油を絞った後に細かく砕いて乾燥させたものが「粉からし」、この「粉からし」に水を加えて練ったものが「練りからし」になり、現在、チューブなどに入れて市販されています。辛味成分は、揮発しやすく、時間の経過と共に成分が抜けるので、「練りからし」には環状オリゴ糖などを加えて安定化させる工夫がなされています。

4~5月に小さい黄色い花を咲かせ、その後、莢(長角果)ごと収穫し、種子を採取します。

近縁のシロガラシ(Sinapis alba L.)の種子は、「洋からし(マスタード)」の原料になります。

カラシの種子(径約1mm)は、シロガラシの種子(径約2mm)より一回り小さいです(写真左:カラシ、写真右:シロガラシ)。