ニュースリリース
2010年06月21日
Affymax, Inc.
武田薬品工業株式会社
欧米における慢性腎疾患に伴う貧血患者を対象とした
Hematide™の臨床第3相試験の速報結果について
Affymax, Inc. (本社:Palo Alto、カリフォルニア州、以下「Affymax社」)と武田薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、以下「武田薬品」)が共同開発している腎性貧血治療薬Hematide™(一般名:peginesatide)について、このたび、欧米における慢性腎疾患に伴う貧血患者を対象とした臨床第3相試験の速報結果が得られましたのでお知らせします。
Hematideの臨床第3相試験は、epoetin(一般名:epoetin alfaおよびepoetin beta)およびdarbepoetin(一般名:darbepoetin alfa)を対照として、4本の試験が実施されました(EMERALD 1、EMERALD 2、PEARL 1およびPEARL 2)。有効性の主要評価項目であるヘモグロビン(Hb)値のベースラインからの平均変化量については、全ての試験において統計学的に非劣性が示され、本薬が、対照薬であるepoetinおよびdarbepoetinと同様に、Hb値を目標範囲内に改善または維持することが確認されました。
また、4本の試験結果を合わせて検討した心血管系イベントに関する複合エンドポイント(死亡、脳卒中、心筋梗塞、うっ血性心不全、不安定狭心症および不整脈)においても、統計学的に非劣性が示されました<ハザード比:1.06、90%信頼区間:(0.91、1.22)>。
なお、4本の試験における追跡調査期間の中央値は1.3年です。
透析期患者を対象としたEMERALD 1およびEMERALD 2のサブ解析では、Hematide群とepoetin群でイベント(死亡、脳卒中、心筋梗塞、うっ血性心不全、不安定狭心症および不整脈)の発現率に差はありませんでした<ハザード比:0.95、90%信頼区間:(0.79、1.13)>。
一方、保存期腎不全患者を対象としたPEARL 1およびPEARL 2のサブ解析では、Hematide群において、イベント(死亡、脳卒中、心筋梗塞、うっ血性心不全、不安定狭心症および不整脈)の発現率が、darbepoetinと比較して高いことが確認されました(Hematide群:21.6%、対照群:17.1%<ハザード比:1.34、90%信頼区間:(1.03、1.73)>)。
Affymax社の社長兼CEO Arlene M. Morrisは、「4本の臨床第3相試験の完了は重要なマイルストンであり、FDAとの申請前協議を行っていきたいと考えています。今回の試験結果、特に保存期腎不全患者さんにおけるデータの評価を引き続き行い、申請時期への影響の有無を検討してまいります」と述べています。
武田薬品の100%子会社である武田グローバル研究開発センター株式会社の社長 Azmi Nabulsiは、「当社とAffymax社は、患者さんのニーズにお応えする医薬品を開発することが重要であると考えています。今後も引き続き、慢性腎疾患を伴う貧血患者さんと治療に携わる医療関係者の皆さんに本薬をお届けできるよう尽力していきます」と述べています。
<慢性腎疾患に伴う貧血患者を対象としたHematideの臨床第3相試験概要>
計2,609 例が参加した臨床第3相試験は、米国および欧州で実施された4本の無作為割付非盲検比較試験(EMERALD 1およびEMERALD 2:透析期患者対象試験、PEARL 1およびPEARL 2: 保存期腎不全患者対象試験)で構成されています。いずれの試験においても、Hematideは4週に1回、対照薬は、承認された用法・用量に従い、epoetinが週1~3回、darbepoetinは2週間に1回投与されました。また、目標Hb値については、透析期患者は10-12 g/dL、保存期腎不全患者は11-12 g/dLです。
詳細な速報結果については、以降に記載しております。
[EMERALD 1およびEMERALD 2]
試験概要
| 対象患者 | 透析期患者 |
| 目標Hb値 | 10-12g/dL |
| 主要評価項目 | ベースラインと評価期間(投与開始後29~36週目)の間のHb値の平均変化量 |
| 副次評価項目 | 赤血球輸血を受けた患者の割合、評価期間中に目標Hb値を維持している患者の割合 |
| 投与群 | (1) Hematide 4週間毎(投与開始用量は切り替え前のepoetinの用量から換算する) (2) epoetin 1週間に1~3回 |
EMERALD 1
| (1) Hematide群 | (2) epoetin群 | |
| 症例数(人) | 524 | 269 |
| 【主要評価項目】 | ||
| ベースラインからのHb値の平均変化量(g/dL) | -0.24 | -0.09 |
| 治療差(信頼区間)[*] | -0.15(-0.29、-0.01) | |
[*] Hematide群のepoetin群との差について、95%両側信頼区間の下限が、予め設定された非劣性に関する基準を満たしました(信頼区間の下限>-1.0g/dL)。
- ・副次評価項目:
- 赤血球輸血を実施した患者の割合は、両群間で同等でした。
- [Hematide群10.3%、epoetin群8.6%]
- 評価期間中、平均Hb値が目標Hb値内にあった患者の割合は、Hematide群はepoetin群と比較し、統計学的に有意に低いことが示されました。
- [Hematide群63.0%、epoetin群71.7%]
- ・評価期間における平均Hb値:Hematide群11.1g/dL 、epoetin群11.3g/dL
- ・有害事象:重篤な有害事象は、Hematide群58%、epoetin群63%の発現でした。
EMERALD 2
| (1) Hematide群 | (2) epoetin群 | |
| 症例数(人) | 542 | 273 |
| 【主要評価項目】 | ||
| ベースラインからのHb値の平均変化量(g/dL) | -0.07 | -0.17 |
| 治療差(信頼区間)[*] | 0.10(-0.05、0.26) | |
[*] Hematide群のepoetin群との差について、95%両側信頼区間の下限が、予め設定された非劣性に関する基準を満たしました(信頼区間の下限>-1.0g/dL)。
- ・副次評価項目:
- 赤血球輸血を実施した患者の割合は、両群間で同等でした。
- [Hematide群7.6%、epoetin群9.9%]
- 評価期間中、平均Hb値が目標Hb値内にあった患者の割合は、両群間で同等でした。
- [Hematide群63.5%、epoetin群65.9%]
- ・評価期間における平均Hb値:Hematide群11.1 g/dL 、epoetin群11.1 g/dL
- ・有害事象:重篤な有害事象は、Hematide群49%、epoetin群52%の発現でした。
[PEARL 1、PEARL 2]
試験概要
| 対象患者 | 保存期腎不全患者 |
| 目標Hb値 | 11-12g/dL |
| 主要評価項目 | ベースラインと評価期間(投与開始後25~36週目)の間のHb値の平均変化量 |
| 副次評価項目 | 赤血球輸血を受けた患者の割合、改善および評価期間中に治療に反応を示した患者の割合 |
| 投与群 | 投与開始時の用法・用量により、下記の3群に振り分けた。 (1) Hematide 0.025mg/kg /4週間毎 (2) Hematide 0.04mg/kg /4週間毎 (3) darbepoetin 0.75mcg/kg /2週間毎 |
PEARL 1
| (1) Hematide 0.025mg/kg群 |
(2) Hematide 0.04mg/kg群 |
(3) darbepoetin 0.75mcg/kg群 |
|
| 症例数(人) | 161 | 165 | 164 |
| 【主要評価項目】 | |||
| ベースラインからのHb値の平均変化量(g/dL) | 1.39 | 1.64 | 1.37 |
| 治療差(信頼区間)[*] | 0.03 (-0.19、0.26) | 0.26 (0.04、0.48) | |
[*] Hematide群のdarbepoetin群との差について、97.5%両側信頼区間の下限が、予め設定された非劣性に関する基準を満たしました(信頼区間の下限>-1.0g/dL)。
- ・副次評価項目:
- 赤血球輸血を実施した患者の割合は、3群間で統計学的に有意差はありませんでした。
- [Hematide 0.025mg/kg群6.2%、Hematide 0.04mg/kg群7.3%、darbepoetin群4.9%]
- 評価期間中、平均Hb値が目標Hb値内にあった患者の割合は、3群間で同等でした。
- [Hematide 0.025mg/kg群93%、Hematide 0.04mg/kg群94%、darbepoetin群94%]
- ・評価期間における平均Hb値:
- Hematide 0.025mg/kg群 11.5 g/dL、Hematide 0.04mg/kg群 11.6g/dL、darbepoetin群 11.5g/dL
- ・有害事象:
- 重篤な有害事象は、Hematide0.025mg/kg群48%、Hematide 0.04mg/kg群46%、darbepoetin群43%の発現でした。
PEARL 2
| (1) Hematide 0.025mg/kg群 |
(2) Hematide 0.04mg/kg群 |
(3) darbepoetin 0.75mcg/kg群 |
|
| 症例数(人) | 167 | 163 | 163 |
| 【主要評価項目】 | |||
| ベースラインからのHb値の平均変化量(g/dL) | 1.50 | 1.68 | 1.35 |
| 治療差(信頼区間)[*] | 0.14 (-0.09、0.36) | 0.31 (0.08、0.54) | |
[*] Hematide群のdarbepoetin群との差について、97.5%両側信頼区間の下限が、予め設定された非劣性に関する基準を満たしました(信頼区間の下限>-1.0g/dL)。
- ・副次評価項目:
- 赤血球輸血を実施した患者の割合は、darbepoetin群と比較し、Hematide群の方が高いことが示されました。Hematide 0.025mg/kg群とdarbepoetin群の比較では、統計学的に有意差が見られました。
- [Hematide 0.025mg/kg群11.4%、Hematide 0.04mg/kg群10.4%、darbepoetin群4.9%]
- 評価期間中、平均Hb値が目標Hb値内にあった患者の割合は、3群間で同等でした。
- [Hematide 0.025mg/kg群91%、Hematide 0.04mg/kg群93%、darbepoetin群95%]
- ・評価期間における平均Hb値:
- Hematide 0.025mg/kg群 11.6g/dL、Hematide 0.04mg/kg群 11.7g/dL、darbepoetin群 11.4g/dL
- ・有害事象:
- 重篤な有害事象は、Hematide 0.025mg/kg群52%、Hematide 0.04mg/kg群49%、darbepoetin群43%の発現でした。
[心血管系イベントに関する複合エンドポイントについて]
心血管系イベントに関する複合エンドポイントは、4本の試験結果を合わせて評価し、あらゆる原因による死亡、あるいは心血管系イベント(心筋梗塞、脳卒中、重篤な有害事象としてのうっ血性心不全、不安定狭心症および不整脈)が発現するまでの期間としました。推定ハザード比1.3以下の90%両側信頼区間の上限を非劣性としました。なお、心血管系イベントは、事前に設置された第三者で構成される有害事象検討委員会によって判定されました。
4本の試験結果を合わせて評価した複合エンドポイントについては、Hematide群で22.4%、対照薬群(epoetinまたはdarbepoetin)で21.6%であり、非劣性となりました<ハザード比:1.06、90%信頼区間:(0.91、1.22)>。
透析期患者を対象としたEMERALD 1およびEMERALD 2のサブ解析において、あらゆる原因による死亡、あるいは心血管系イベントのうち少なくとも一つを発現した患者は、Hematide群で24.4%、epoetin群で24.4%でした<ハザード比:0.95、90%信頼区間:(0.79、1.13)>。
また、保存期腎不全患者を対象にしたPEARL 1およびPEARL 2のサブ解析において、あらゆる原因による死亡、あるいは心血管系イベントのうち少なくとも一つを発現した患者は、Hematide群で21.6%、darbrpoetin群で17.1%であり、統計学的に有意差が見られました<ハザード比:1.34、90%信頼区間:(1.03、1.73)>。保存期腎不全患者におけるハザード比が高い理由は、主にHematide群において死亡、不安定狭心症および不整脈の発現率が高かったことによるものです。なお、脳卒中、心筋梗塞およびうっ血性心不全の発現率は、両群において同等でした。
今回の試験速報結果については、現在さらなる解析を行っています。
<問い合わせ先>
AFFYMAX, Inc
Corporate Communications
650-812-8861
武田薬品株式会社
コーポレート・コミュニケーション部(広報・IR)
03-3278-2037
以上