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切除不能進行再発大腸がん

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「切除不能進行・再発大腸がん」の治療について

標準的な治療法

切除不能進行・再発大腸がんに対する化学療法は、いくつかの抗がん剤を組み合わせて行われます。組み合わせ方や、用いる順序は、数多くの臨床試験によって確認されており、推奨される標準的な治療法がまとめられています。

主な化学療法

大腸がんの治療に使われる抗がん剤は、作用の違いで大きく2種類に分かれます。細胞の分裂・増殖過程に働きかけ細胞の増殖を抑える「殺細胞性薬さつさいぼうせいやく(いわゆる抗がん剤)」と、がん細胞の発生や増殖にかかわる特定の分子だけを攻撃する「分子標的薬ぶんしひょうてきやく」です。切除不能進行・再発大腸がんの化学療法は①と②と③を組み合わせて行われます1)

基本となる薬は、殺細胞性薬さつさいぼうせいやく(抗がん剤)のフッ化ピリミジン系の代謝拮抗剤たいしゃきっこうざいです。フッ化ピリミジン系の代謝拮抗剤たいしゃきっこうざいの投与方法には、「急速静注じょうちゅう」「点滴による長時間投与(持続静脈投与)」「内服」があります。そして、フッ化ピリミジン系の代謝拮抗剤たいしゃきっこうざいの作用を強める活性型葉酸製剤かっせいがたようさんせいざいとともに使います。

殺細胞性薬さつさいぼうせいやく(抗がん剤)
フッ化ピリミジン系の薬

+

活性型葉酸製剤かっせいがたようさんせいざい
(抗がん剤の副作用の軽減や作用を強める補助的な薬)

フッ化ピリミジン系の代謝拮抗剤たいしゃきっこうざいとの組み合わせに別の種類の殺細胞性薬さつさいぼうせいやく(抗がん剤)をプラスして使います。

殺細胞性薬さつさいぼうせいやく(抗がん剤)

殺細胞性薬さつさいぼうせいやく(抗がん剤)と作用が異なる分子標的薬ぶんしひょうてきやく抗EGFR抗イージーエフアール体薬または、抗VEGF抗ヴィイージーエフ体薬のいずれかを組み合わせて使います。

分子標的薬ぶんしひょうてきやく
抗EGFR抗イージーエフアール体薬
抗VEGF抗ヴィイージーエフ体薬
マルチキナーゼ阻害薬

主な化学療法の副作用とセルフケアについて2)

化学療法の副作用は、投与されるお薬によってあらわれるものや、副作用の程度も個人によって異なります。治療前に医師、看護師、薬剤師に相談してください。

副作用は、お薬で軽減できるものと、
日常生活での工夫で楽になることもあります。

主な副作用対処法
嘔吐おうと嘔気おうき

・吐き気止めのお薬をのむ

・食べられそうなものから少量ずつ、または分割して食べる

・刺激の少ない消化のよいもの(お粥、うどんなど)

下痢

・お腹を冷やさないよう保温に心がける

・消化がよく、栄養価の高いものを少量ずつ食べる

・脱水予防のため水分補給する

手足がしびれる

・冷たいものに触れたり、飲んだりすることを控える

・からだが冷えないように手袋や靴下、スリッパを利用する

口内炎

・口のなかを清潔に保つため、食後は必ずやわらかいブラシで歯磨きする。口のなかの乾燥を避ける。

白血球や赤血球の減少

・食事前や外出後はうがいや手洗いを行う。

・外出時は、マスクを着用する。

・白血球減少のときは、生肉や生魚、生野菜を避け、加熱処理をする。

皮膚障害

・ 外出時は、日やけ止めを塗り、帽子を着用して紫外線を避ける。

・ 皮膚を清潔に保つ。

・ 顔や体に1日数回、保湿剤を塗って皮膚に潤いを与える。

参考文献:

1)国立研究開発法人 国立がん研究センター中央病院 消化管内科, 朴 成和:国立がん中央病院 がん攻略シリーズ 最先端治療 大腸がん,58-62,法研,2018.

2)福長 洋介 監修:最新 大腸がん治療,124-125,主婦と生活社, 2017.

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全身状態をみる指標の一つで、患者さんの日常生活の制限の程度により、0~4で示します。
表はECOGイーコグ(米国の腫瘍学の団体の1つ)が決めた「Performanceパフォーマンス Statusステータス(PS)」の日本臨床腫瘍研究グループ(JCOGジェイコグ)による日本語訳です。

グレードパフォーマンス ステータス(Performance Status:PS)
0全く問題なく活動できる。発症前と同じ日常生活が制限なく行える。
1肉体的に激しい活動は制限されるが、歩行可能で、軽作業や座っての作業は行うことができる。(例:軽い家事、事務作業)
2歩行可能で、自分の身のまわりのことはすべて可能だが、作業はできない。日中の50%以上はベッド外で過ごす。
3限られた自分の身のまわりのことしかできない。日中の50%以上をベッドか椅子で過ごす。
4全く動けない。自分の身のまわりのことは全くできない。完全にベッドか椅子で過ごす。

参考文献:
国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター がん情報サービス 一般の方向けサイト 用語集
https://ganjoho.jp/public/qa_links/dictionary/dic01/Performance_Status.html(2018年4月9日)

「ステージ」は病期びょうき分類ともいい、がんの大きさや広がりなど、がんの状態をあらわす指標です。病期びょうき分類の1つに、国際対がん連合の「TNMティエヌエム分類」があります。これは、がんの大きさ(T因子)、周辺のリンパ節への転移(N因子)、別の臓器への転移(M因子)の3要素を組み合わせて、ステージ0からステージⅣまでの5段階に分けるものです。

参考文献:
国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター がん情報サービス がんになったら手にとるガイド
https://ganjoho.jp/hikkei/chapter3-1/03-01-03.html(2018年4月9日)

化学物質によってがんの増殖を抑え、がん細胞を破壊する治療を「化学療法」と呼びます。化学療法は、活発に増殖する細胞に対して治療効果を及ぼすため、がん細胞だけでなく、皮膚や毛根、骨髄こつずいなど、活発に細胞分裂している他の組織にも影響が出ます。

参考文献:
国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター がん情報サービス 一般の方向けサイト 診断・治療
https://ganjoho.jp/public/dia_tre/attention/chemotherapy/about_chemotherapy.html(2018年4月9日)

がんによって起こるさまざまな苦痛を和らげるための治療で、緩和ケアともいいます。痛みやつらさの原因や種類により、痛み止めの薬を使う、神経を麻痺まひさせる注射(神経ブロック)で処置をする、放射線療法 、バイパス手術などの手術、マッサージやはりきゅうで筋肉のこわばりをほぐす、心の問題を専門に扱う医師や看護師、カウンセラーによる不安の軽減などの方法があります。

参考文献:
国立研究開発法人国立がん研究センター がん対策情報センター がん情報サービス がんになったら手にとるガイド
https://ganjoho.jp/hikkei/chapter3-1/03-01-09.html(2018年4月9日)

肝臓にがんが転移し、手術が難しい患者さんを対象に、肝臓の動脈にカテーテル(管)で直接抗がん剤を投与します。がんを小さくすることができます。

参考文献:
大腸癌研究会 編:患者さんのための大腸癌治療ガイドライン2014年版, 40, 金原出版, 2014.

がんの化学療法では、動脈カテーテルを用いて局所に抗がん剤を注入する薬物療法もありますが、一般には、抗がん剤やホルモン剤等の薬剤を、静脈内注射やのみ薬の方法で投与する薬物療法を行います。これを全身化学療法といいます。切除不能大腸がんで全身化学療法の適応となるのは、転移した臓器が肝臓、肺、リンパ節、腹膜ふくまくなどの場合です。

参考文献:
国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター がん情報サービス がんになったら手にとるガイド
https://ganjoho.jp/hikkei/chapter3-1/03-01-05.html(2018年4月9日)
大腸癌研究会 編:大腸癌治療ガイドライン, 医師用, 2016年版, 31-38, 金原出版, 2016.

大腸などの消化管の壁に穴があくこと、あるいは穴があいた状態を穿孔せんこうといいます。大腸などの消化管で穴があいたところが、隣接する組織や臓器によってふさがれた状態は穿通せんつうと呼びます。

参考文献:
日本救急医学会 医学用語解説集
http://www.jaam.jp/html/dictionary/dictionary/word/0412.htm(2018年4月9日)

がんが再発・転移したところに針を刺してマイクロ波やラジオ波で熱を発生させ、がんを固めて死滅させる方法です。切除より身体への負担が少ないので、基礎疾患がある患者さんなどに有効です。

参考文献:
大腸癌研究会 編:患者さんのための大腸癌治療ガイドライン2014年版,41,金原出版,2014

放射線は、がん細胞を消滅させたり減らしたりする働きがあります。大腸がんの再発・転移では、①全身状態が良好で、薬物療法が可能な患者さんの症状緩和効果、QoLキューオーエル(生活の質)を保つことを目的に薬物療法と併用して行う、②全身状態が不良で、薬物療法が困難な患者さんの疼痛とうつう緩和、症状の軽減などを目的に行う、③手術が難しい患者さんの治療のため、薬物療法と併用して行う、という方法があります。

参考文献:
大腸癌研究会 編:大腸癌治療ガイドライン, 医師用, 2016年版, 70, 金原出版, 2016.

がん細胞が静脈に侵入し、他の臓器に流れついて、そこで増殖することです。大腸の血流はまず肝臓に流れるため、大腸がんの血行性転移けっこうせいてんいで最も多いのは肝臓への転移です。次に多いのが肺への転移、さらに進行すると、骨や脳など全身の臓器に血行性転移けっこうせいてんいを起こすこともあります。

参考文献:
大腸癌研究会 編:患者さんのための大腸癌治療ガイドライン2014年版, 10, 金原出版,2014.

リンパ管は、血管のようにからだの中に張り巡らされています。リンパ管は途中にリンパ節という節目があり、さらに枝分かれしていきます。リンパ行性転移こうせいてんいとは、がん細胞がリンパ管に侵入し、リンパ液の流れに沿って、途中のリンパ節に流れついて増殖することです。がん細胞は、次のリンパ節に流れていき、次第に遠く離れたリンパ節まで広がっていきます。

参考文献:
大腸癌研究会 編:患者さんのための大腸癌治療ガイドライン2014年版, 10, 金原出版,2014.

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