「切除不能」
大腸がんとは

「切除不能」大腸がんとは

大腸がんの治療の原則は、手術によって、大腸に存在するがん「原発巣げんぱつそう」や転移しているがん「転移巣てんいそう」を完全に切除することです。しかし、手術でがん病変を切除できなかった場合や、手術後に再発し、その病変を切除できない場合には、"切除不能"大腸がんと分類されます。
これは、技術的に切除できるかということではなく、がん組織を完全に取り除き再発を長期間抑えることができるか、ということで判断します1)
"切除不能"と判断された場合には、がんの進行を抑え、延命えんめいとがんに伴う症状のコントロールを目的に全身薬物療法を行います。

切除不能大腸がんの薬物療法における治療成績の進歩

切除不能大腸がんと診断されると、約6~8カ月の生存期間でしたが、抗がん剤の進歩により、現在、薬物療法をつづけることで、約2〜3年くらいまで延命えんめいできるようになりました1)。また、薬物療法の効果で、当初切除できなかったがんを縮小させ、切除できる場合もあり、長期に延命えんめいできることも示されています。

進行再発大腸がんの生存期間の変遷。大腸がんにおける抗がん剤の進歩により生存期間が増えている(長期に延命できている)ことを表しているグラフ。
川本 泰之, 結城 敏志;腫瘍内科, 2017, 20(1), 2-7より改変

参考文献:

  1. 1) 杉原健一:インフォームドコンセントのための図説シリーズ 大腸癌(改訂4版), 84-85,医薬ジャーナル社, 2012.

「大腸がんサポートnavi」は武田薬品工業株式会社が運営する、大腸がんに関する情報サイトです。
このページでは、「切除不能」大腸がん、切除不能大腸がんの薬物療法における治療成績の進歩についてご説明します。