>ニュースリリース>特集記事>タケダの挑戦:中枢神経系疾患の課題に正面から向き合う

タケダの挑戦:中枢神経系疾患の課題に正面から向き合う

タケダの挑戦:中枢神経系疾患の課題に正面から向き合う

中枢神経系疾患の課題、タケダの挑戦

脳および中枢神経系(CNS)疾患は、現代医学の研究において最後の未踏の地の1つとも言われている。1990年代以降、早期段階の治験数も少なく、治験中に薬の服用を中止するケースも多かったことから、中枢神経系疾患治療薬の開発や発展に遅れが生じていた 。このようなリスクの高さから、多くの製薬企業は中枢神経系疾患の治療薬開発に対し、消極的にならざるを得ない状況にあった。

中枢神経系疾患の課題、タケダの挑戦
そのため、中枢神経系疾患には未だ満たされないニーズが多くある。世界では10億人以上がこの病気に苦しんでおり、米国や欧州では神経系疾患の発症率は、他のどの疾病分野よりも急速に上がっている。患者さんが増える一方で、臨床で十分な進歩がみられていないのが現状だ。

「多くの企業が研究開発の重点を中枢神経系疾患から他の領域に移す中、タケダはこの課題に正面から向き合った」と、中枢神経系疾患領域ユニット長のエミリアンジェロ・ラッティは語る。また彼は「重点領域として、私たちの使命は、治療法がない精神・神経系疾患や稀な中枢神経系疾患の患者さんに新たな治療薬を提供すること。そのためには、最新の科学的知見、革新的技術、外部パートナーシップを活用して、未だ満たされないニーズが多くある中枢神経系疾患の治療薬を生み出し、開発していくことが重要」と述べた。

中枢神経系疾患は、メンタルヘルスに影響を与える複雑な病気だ。そのため、多面的な性質を考慮し、治療薬の創出と開発には患者さんを中心としたアプローチが不可欠と言える。

過去から学ぶ

中枢神経系疾患の課題、タケダの挑戦
中枢神経系疾患の治療薬開発における過去の失敗例と成功例は、タケダにとって研究を最大限に進展させるための鍵となった。ラッティは、これまでの中枢神経系疾患の研究ではマイナスな影響を及ぼす面も数多くあったと言及する。
例えば、患者さんの実際の状態との関連性が低い薬物標的に加え、治験に参加した患者さんの特異性、また疾患の重症度の変化や薬の効果を評価するのに必ずしも適切でない測定ツールが使用されるなど、治験があまりにも複雑な条件の中で行われていることも要因として含まれる。

タケダの取り組み

このような実態が、治療法がない精神・神経系疾患や稀な中枢神経系疾患の患者さんに新たな治療薬を提供する、というタケダのビジョンを構築する基盤となった。2017年にラッティは「中枢神経系疾患の患者さんの生活をより良いものにする」という高い目標を掲げ、その実現に向けて尽力し続けると宣言した。

タケダにおける5つのチャレンジ

  • 病気の生態への理解
    タケダは、バイオサンプルと遺伝子分析を用いて中枢神経系疾患との関連性が強いと思われる人を特定する技術を開発している。

  • パートナーシップの推進
    患者団体、学者、製薬・バイオテクノロジー関連パートナーと協力して中枢神経系疾患における共通理解を促進。

  • 特有の患者群の特定
    治療効果を示す可能性がより高いと思われる症状が見られる患者さんをサブグループに分けて治験を実施。

  • 革新的な診断ツールの開発
    バイオマーカーを用い、臨床試験で生じた変化を測定するためのツールを開発。

  • ウェアラブル機器の採用
    フィットネス系ウェアラブル機器の採用によって臨床試験中の患者さんの継続的な状態観察を可能にし、自己診断や主観的な記録と比べ、より確実な診断を可能にする。


中枢神経系(CNS)とは?

中枢神経系は、脳、脊髄、および視神経から構成されている。中枢神経系は思考過程を制御し、運動を誘導し、体全体に感覚を記録する。

中枢神経系は、末梢神経系(PNS)とは分離していると考えられているが、実際にはこの2つの神経系は密接に関連している。末梢神経系は、脳および脊髄の外側にある神経部分を指す。中枢神経系と末梢神経系との主な違いは、再生に関わる部分で、中枢神経系と違い、末梢神経系の大半は再生能力を有している。

中枢神経系に影響を及ぼす疾患は一般的で、人口の25〜30%を占め、そこには、アルツハイマー病やパーキンソン病、主なうつ病や統合失調症などの神経系および精神系疾患が含まれる。

参考
Kesselheim AS, et al. Two decades of new drug development for central nervous system disorders. Nature Reviews Drug Discovery. 2015 14, 815-816.