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米国感染症学会におけるノロウイルスワクチンの臨床第1/2相試験の
結果発表について

当社は、米国サンフランシスコで開催されている米国感染症学会週間(Infectious Disease (ID) Week 2013)のLate-Breakingセッションにおいて、当社が現在開発中のノロウイルスワクチン(筋注、GI/GII の2価ワクチン)の臨床第1/2相試験の結果をオーラルプレゼンテーションで発表するとともに、プレスカンファレンスでも発表しましたのでお知らせします。本試験は、胃腸炎の原因となり最も頻繁にみられる遺伝子型(GII.4型)のノロウイルスを試験服用する方法で健康成人を対象に実施されました。本試験では、ノロウイルスワクチン2回投与の忍容性が良好であり、ノロウイルスワクチンがノロウイルス感染症状の発現および重症化の予防に好影響を与えることが示唆されるとともに、排泄物中のノロウイルス量の減少もみられました。また、本試験結果から、実臨床下での試験実施に向け、最適な検証試験系の確立に向けての重要な知見も得られました。

ノロウイルス胃腸炎は、多くの場合、嘔吐と下痢を伴い、年齢に関わらず発症します。本試験では、ノロウイルスワクチン接種群はプラセボ群と比較し、副次評価項目である、あらゆる重症度における嘔吐・下痢の発現について有意な減少を示しました。また、ノロウイルスワクチン接種群はプラセボ群と比較して、主要評価項目である胃腸症状の発現の減少を示したものの、統計学的な有意差は示されませんでした。

本試験の実施責任者であり、シンシナティ小児病院 感染症科DirectorのDavid I. Bernstein博士は、「世界各地で流行している非細菌性感染性胃腸炎の原因の約90%がノロウイルスであり、米国だけでも年間71,000人もの方がノロウイルス感染症が原因で入院しています。この世界的な問題を解決するワクチンが切望されており、当社のノロウイルスワクチンがそのアンメット・メディカルニーズを満たすものと期待しています」と述べています。

当社のワクチンビジネス部長であるRajeev Venkayyaは、「本臨床試験により、最も頻繁にみられる遺伝子型(GII.4型)ノロウイルスの試験服用による症状をノロウイルスワクチンが軽減することが初めて示されました。ウイルスを試験投与する方法としてはかなり規模の大きい今回の臨床試験結果から、ファースト・イン・クラスである当社のノロウイルスワクチンの開発をさらに推し進めていけることを嬉しく思います。当社では、本ワクチンのような画期的なワクチンの研究開発により、世界の公衆衛生上の重要な問題解決に貢献してまいります」と述べています。

【今回発表した試験結果】
試験デザイン 無作為、二重盲検、プラセボ対照、多施設共同試験
対象者 18歳から50歳の健康成人98名
結 果 ・ 重篤な嘔吐・下痢
ワクチン接種群:0名:0.0%、プラセボ群:4名:8.3% (p=0.054)
・ 中等度あるいは重篤な嘔吐・下痢は68%減少
ワクチン接種群:6.0%、プラセボ群:18.8% (p=0.068)
・ 副次評価項目は達成、いずれの重症度においても、嘔吐・下痢は52%の減少
ワクチン接種群:20%、プラセボ群:41.7% (p=0.028)
・ Vesikariスコア(重症度スコア、成人用に修正)による症状、重症度の評価は有意に減少
ワクチン接種群:3.1点、プラセボ群:5.0点 (p=0.023)
・ 副反応は、主に他のワクチンでもよくみられる軽度で短期的な局所注射部位疼痛、最も頻度の高い全身性反応は頭痛。
・ 副次評価項目の一つである「抗体価の4倍増加」については、ワクチン接種者においてもノロウイルス試験服用後わずかな抗体価上昇を示したのみであり、有効性の評価方法として不十分。PCR測定によるウイルス量は、ワクチン接種群とプラセボ群で差なし。
・ 主要評価項目(あらゆる重症度での急性胃腸炎発現の減少およびノロウイルス感染の検査確認)は未達成であり、本試験の詳細については投稿予定。

以上

<ノロウイルスワクチンについて>
当社の2価ノロウイルスワクチン(筋注)は、ウイルス様粒子(Virus-Like Particle:VLP)抗原を含んでおり、ウイルスの外殻タンパクであるウイルスキャプシドの構造を保持することでウイルスのような形をしていますが、遺伝物質を持たないため増殖能あるいは感染能力はありません。VLPを接種すると、人間の免疫システムは、ウイルスに反応するのと同様に免疫防御を活性化し感染から身を守ることが分かっています これまでに健康成人を対象として実施したワクチン(経鼻製剤)の臨床試験では、GI.1型ノロウイルスを試験服用後、ワクチン接種群において胃腸疾患の有意な減少を示しました。当該試験結果はNew England Journal of Medicine(2011年12月8日号)に掲載されています。当該試験ならびに今回の試験結果から、ワクチン接種は、最も頻繁にみられるI型およびII型ノロウイルスによる感染症を予防する有効な手段であることが示唆されました。

<ノロウイルスについて>
ノロウイルス胃腸炎は、急激な嘔気・嘔吐・痙攣性腹痛・下痢、時に急激な発熱によって発症し、世界規模で流行を引き起こし重症化する恐れのある疾患です。ノロウイルスは感染力が強く、人から人へ、あるいはウイルスに汚染された物質や環境により容易に感染することが知られています。集団発生は、特に病院・ホテル・学校・デイケア施設・介護施設などのコミュニティで起こり、家族・医療制度・事業上の社会経済的負担の増大につながります。軍隊においては、流行が始まると戦闘即応性が削がれるなど大きな影響を受けます。合併症を惹き起こしやすい高齢者、小児、免疫不全者においては重症化しやすく死に至るケースも報告されています。

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