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武田薬品によるLigoCyte社の買収を通じたワクチン事業の強化について

武田薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、以下「武田薬品」)とLigoCyte Pharmaceuticals, Inc.(本社:ボーズマン、米国モンタナ州、以下「LigoCyte社」)は、このたび武田アメリカ・ホールディングスInc.(武田薬品の100%子会社、以下「武田アメリカ・ホールディングス」)がLigoCyte社を買収することについて合意しましたのでお知らせします。今後、武田アメリカ・ホールディングスは、必要な手続き等を経て、数週間以内に買収を完了する見込みです。本買収契約に基づき、武田アメリカ・ホールディングスは契約一時金として60百万米ドルをLigoCyte社に支払います。また、武田薬品は将来、開発の進捗に応じたマイルストンを支払う可能性があります。その他の経済条件は開示しておりません。

LigoCyte社は、独自のウイルス様粒子(Virus-Like Particle: VLP)技術に基づく新規ワクチンの開発に特化しているバイオ医薬品企業です。同社のVLP技術は、様々な遺伝子型のノロウイルスに対してワクチン作製を可能にするものであり、既にワクチン投与後にノロウイルスを負荷投与する臨床試験で予防効果が見られています。米国、欧州、その他の各国での承認を目指して、現在、臨床第1/2相試験を実施しています。

近年、ノロウイルスは、先進国における胃腸炎および食中毒の最大の原因として認識されつつあります。例年、医療・長期療養施設・小児保育施設、客船などで下痢が流行することにより、それらの施設が閉鎖を余儀なくされるなど、混乱を招くとともに経済上の大きな問題となっています。また、米国疾病管理予防センターによると米国では、毎年21百万人の感染者が発生しています。

今回の買収により、武田薬品は、グローバルなワクチン市場でのプレゼンスを向上させ、ワクチンパイプラインを強化できるだけでなく、武田薬品の開発、販売基盤を活用し、そのパイプラインの着実な上市、販売を実現することで、持続的成長が可能となります。

武田薬品のワクチンビジネス部長であるRajeev Venkayyaは、「LigoCyte社買収は、当社のワクチン事業拡大に向けた大きなステップであり、世界中の小児および成人の疾病予防への取り組みを一層推進するものです。ノロウイルスは米国における胃腸炎および食中毒の最も多い原因であり、毎年、発展途上国を中心に20万人もの患者さんの死亡原因となっています。当社は、今回の買収により、臨床開発段階にある唯一のノロウイルスワクチンを獲得しました。今後、鋭意開発を進めて、ノロウイルス感染による患者さんを減らすことに取り組んでまいります」と述べています。

武田薬品の取締役 チーフ メディカル&サイエンティフィック オフィサーである山田忠孝は、「LigoCyte社買収は、革新的なワクチンの開発を通じて、世界の公衆衛生向上に貢献するという当社の使命を具現化するものです。ノロウイルスは世界中で重篤な感染症を引き起こしていますので、その予防が可能となるよう全力で取り組んでまいります」と述べています。

LigoCyte社のCEOであるDonald P. Beemanは、「研究開発型のリーディングカンパニーであり、ワクチンを重点領域の一つに掲げるタケダグループの一員となることを大変嬉しく思います。ノロウイルス感染症の予防に向けて、タケダグループと当社の専門性を融合させ、ワクチンを開発し、タケダグループのワクチン事業の長期的な成長に寄与してまいります」と述べています。

なお、LigoCyte社は、ノロウイルスワクチンに加えて、RSウイルス(respiratory syncytial virus:呼吸器合胞体ウイルス)ワクチン、インフルエンザウイルスワクチン、ロタウイルスワクチンを開発しており、前臨床段階にあります。

LigoCyte社の事業の継続性を保持するため、経営陣および従業員も引き続き同社に在籍し、所在地であるボーズマンで業務を行います。また、武田薬品との統合完了後、LigoCyte社は武田薬品のワクチンビジネス部の傘下に入り、Beemanはワクチンビジネス部長Venkayyaに直接レポートを行います。


1.取得の方法および日程

  • (1) 株式取得の実施者: 武田アメリカ・ホールディングスInc.
  • (2) 株式取得の対象者: LigoCyte社の株式保有者(※)

※ Forward Ventures、JAFCO、 Novartis Venture Fund、Fidelity Biosciences、MedImmune Ventures、Athenian Venture Partners、MC Life Sciences Ventures (Mitsubishi International Corporation)、GlaxoSmithKline

  • (3) 株式の取得方法: 現金
  • (4) 発行済株式総数: 普通株・優先株合計121,761,569株(普通株換算)
  • (5) 買収価額: 一時金として60百万米ドル支払った後、将来、開発の進捗に応じたマイルストンを支払う可能性がある。
  • (6) 取得完了予定日: 2012年11月末まで
  • (7) ファイナンシャルアドバイザー: (武田薬品)なし
  • (8) リーガルアドバイザー: (武田薬品)Polsinelli Shughart LLP
  • (9) ファイナンシャルアドバイザー: (LigoCyte社)Sagent Advisors LLC
  • (10) リーガルアドバイザー:(LigoCyte社)Cooley LLC

2.LigoCyte社の概要

  • (1) 名称: LigoCyte Pharmaceuticals, Inc.
  • (2) 所在地: 米国 モンタナ州 ボーズマン
  • (3) 代表者の役職・氏名: CEO兼取締役 Donald P. Beeman
  • (4) 設立年: 1998年
  • (5) 資本金: 10,000米ドル
  • (6) 資本剰余金:1,371,516米ドル
  • (7) 株式の種類: 非上場
  • (8) 従業員数: 約40名
  • (9) 当社との関係: LigoCyte社との間には、資本・人的・取引関係において記載すべき事項はない。

本買収が当社の2013年3月期の連結業績に与える影響は軽微であり、現時点では当該期の連結業績予想の変更はありません。


<ウイルス様粒子(VLP)技術について>

LigoCyte社ではVLP技術に基づき、効率的に幅広い種類のワクチンを生産するコア技術を確立しています。VLPはウイルスタンパク膜の表面構造を模倣し、VLP抗原を持つことで免疫システムにウイルスと同じものと認識させる一方、VLP自体はウイルス増殖に必要なDNAあるいはRNAを持っていないため、自己複製できず感染能力がありません。実際のワクチンに近い構造のウイルス抗原であるVLPワクチンを投与された人体は、VLPワクチンを実際のウイルスと認識し、感染を予防するための免疫反応を惹起します。

<LigoCyte社について>

LigoCyte社は、消化器および呼吸器系疾患に対するワクチンの開発に特化した、非上場のバイオ医薬品会社であり、民間からの投資資金に加えて、国立衛生研究所や国防総省からも助成金を受け、ワクチン開発に取り組んでいます。


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