植物のご紹介

カラスビシャク

カラスビシャク

Pinellia ternata (Thunb.) Breitenb. サトイモ科(Araceae)
(局方)Pinellia ternata Breitenbach
生薬名:ハンゲ(半夏)  薬用部位:塊茎
日本の北海道から九州、朝鮮半島、中国に分布する多年草です。草丈10~20cmになり、4~5月に仏炎苞という葉が変形した苞に包まれた花茎を伸ばします。生存力が強い植物で、塊茎、種子、珠芽のいずれからも繁殖が可能であることから、厄介な畑の雑草としても知られています。生薬「ハンゲ」は本種のコルク層を除いた塊茎で、ホモゲンチジン酸(フェノール類)などの成分を含み、鎮静、鎮吐、鎮咳、去痰などの作用があります。一般用漢方製剤294処方のうち、半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)、六君子湯(りっくんしとう)など63処方に配合されています。

特徴ある仏炎苞(花はこの内部に隠れています)。

生薬「ハンゲ」は、ショウキョウやカンキョウとの相性が良いとされています。

近縁種にはオオハンゲ(P. tripartita Schott)などがあります。